段ボール箱で 生ごみを堆肥化

「どんぐり・るるネット」普及進めて4年目

田中さんが勝手口の軒下に置いている段ボール。生ごみはざるに入れて風通しの良い場所に置き、分解に適した水分量にしてから混ぜ込む
「ごみ出しも軽くて楽」と利用者
 微生物の働きで野菜くずなど分解 長野市内の55人が取り組む

 「入れておいた野菜くずが分解されてなくなります。嫌な臭いはほとんど出ないんです」。三輪の主婦田中智子さん(47)は昨年から、段ボール箱で生ごみの堆肥化に取り組んでいる。生ごみを可燃ごみとして出さなくなったことで、以前は「大」(30リットル)を使っていたごみ袋が「小」(20リットル)で済むように。「袋が安くなり、ごみ出しも軽くて楽。キッチンに置いていた大きなごみ箱もいらなくなった」と利点を実感している。

 田中さんは、NPO法人みどりの市民(若里)が主催する「どんぐり・るるネット」の会員だ。市民が段ボールによる生ごみの堆肥化をしやすい環境を整え、普及を進める取り組み。4年目の本年度は市内の55人が取り組んでいる。

 会員は、竹チップを入れた段ボールの中に、毎日出た生ごみを入れ、かき混ぜる。生ごみは微生物の働きで二酸化炭素、水、硝酸塩に分解される。できた「一次生成物」は土に入れて熟成させると堆肥になる。


田中さんは生ごみから作った堆肥で鉢花も栽培。堆肥を購入する必要もなくなったという

 るるネットでは、2カ月に1回、会員が作った一次生成物を回収し、同時に新しい竹チップを配布する。配布する竹チップは、西山淡竹会(信州新町)が竹林整備で出た間伐材を粉砕したもの。障害者の就労支援を行う「エコーンファミリー」(川中島町今井)が一次生成物回収と竹チップ配布を担当し、花作りなどに使う。焼却ごみの減量や資源の循環に加え、地域活性化や障害者支援にもつながる仕組みだ。

 田中さんは、るるネットのメリットについて「定期的に回収してもらえるので続けやすく、経験のある先輩にこつを聞けるのも助かる」と言い、「(生ごみを)燃やすのだったら、土に返す方がいい。堆肥化は主婦にとって取り組みやすいSDGs(持続可能な開発目標)」と話す。

 みどりの市民副代表・事務局長の渡辺ヒデ子さん(73)は「生ごみの堆肥化は、野山で土に落ちた木の実が分解されて木の栄養になるのと同じ、命のサイクル。会員の皆さんに長く続けてもらえるよう、やりやすい仕組みを模索し続けていきたい」と話している。


 

どんぐり・るるネット

 会員を随時募集。年会費は自宅への個別回収・配達の場合2500円、数軒の拠点への回収・配達の場合2000円。開始時の段ボールと基材、マニュアルのキット代は500円。会員交流会もある。

 一次生成物は回収を依頼せず、各自の菜園や花壇などで使うこともできる。

 (申)(問)みどりの市民☎︎269・5092

 

記事・写真 竹内大介


2022年6月25日号フロント