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権堂の応援歌発売へ 蓮香亜衣さん

一緒に歌って楽しんで

「権堂で会いましょう」を歌う蓮香亜衣さん

 「ごん、ごん、権堂で会いましょう♪」権堂町の飲食店に、ハスキーでパワフルな歌声が響く。一度聞いたら耳に残るリズミカルなフレーズ。歌うのは須坂市出身、長野市在住のシンガーソングライター蓮香(はすのか)亜衣(本名・塩沢亜衣)さん(41)。自身が作詞作曲した権堂の応援歌「権堂で会いましょう/権堂で呑(の)みましょう」のCDを9月30日(土)に発売する。

 蓮香さんは17歳から路上ミュージシャンとして長野駅前や権堂アーケードで歌ってきた。2009年に平安堂ミュージシャンコンテストでグランプリを受賞し、CDデビュー。13年には自作曲が県農政部のキャンペーン「おいしい信州ふ〜ど」のテレビCMソングに。現在、自作曲やカバー曲、自作のアニメなどをSNSで配信している。

 蓮香さんが権堂で歌うのは、権堂が大好きだから。20年以上同じ街角に立って、町を見続けてきた。応援歌を作ろうと思ったのは、町にかつてのにぎわいが見られなくなったからだ。以前は、多くの人が行き交い、「週末はお祭りのようで楽しかった」。それが次第に飲み歩く人よりも通勤の人が多くなり、「10年ほど前からは目に見えて人が減り、コロナ禍で店も減り、さらに静かになってしまった」という。

 権堂アーケードで歌う様子を、SNSに「権堂賑やかし計画」とハッシュタグを付けて、配信している。続けているとフォロワーが増え、県外から権堂を訪れる人も。「自分が歌うことで権堂に興味を持ってくれる人がいる」。フォロワーのコメントを基にカップリング曲「権堂で呑みましょう」も作った。「歌をきっかけに来る人を増やしたい」と、今年の春からは日時を決め、定期的に路上でライブをしている。「誰でも覚えて歌ってもらえるフレーズにした。一緒に歌って楽しんでほしい」

 権堂でも旧繁華街の中心に大きなマンションの建設が進み、商業の町から暮らしの町へと変わろうとしている。蓮香さんは「町が変わっても大切な思い出を人の心に残したい」と力を込めた。

 CDはアーケードでの路上ライブで得た投げ銭で制作し、町内の飲食店などで販売する計画だ。

 記事・写真 竹内章世


2023年9月2日号フロント

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