「復元の有力な根拠」第2期整備で 市教委


長野市教育委員会は、松代城跡の第2期整備に生かすため、城内を写した古い写真や絵図面などの資料がある人に情報を寄せてほしい—と呼び掛けています。
松代城跡は、1995(平成7)年から9年間かけて行った調査と保存整備で、本丸の石垣とやぐら門、内堀と土塁などが復元されました。その後、城域南東寄りに造られた長野電鉄屋代線が2012年に廃線になり、線路敷などだった1.7ヘクタールが国史跡に追加指定。市教委はこのエリアでも城郭施設を復元して城跡として整備することとし、16年に着手しました。
第2期に復元するのは、二の丸南東側の土塁、二の丸東側にあった重層のやぐら門「石場門」と単層の「冠木(かぶき)門」、その前の丸馬出しと東三日月堀、二の丸南側の丸馬出しと南三日月堀など。東と南にあった丸馬出しと三日月堀は武田氏による特徴的な築城技術といいます。このほか、平成の整備で復元した太鼓門前などの橋も、経年劣化が進んでいるため架け替えます。整備完了は28年の予定。
施設の復元に当たっては、絵図や明治時代の写真などが有力な根拠となります。市教委が特に探しているのは
▽城内の建物が写っている明治初頭の写真
▽城内を写した明治から大正の写真
▽松代城の建物寸法が書き込まれた絵図
▽松代城から移転されたと伝わるやぐらや門などの建物の情報—。
「一見価値がないと思われる資料でも役に立つことがある。小さな情報でも寄せてほしい」と話しています。
(問)市教委文化財課☎︎224・7013
2022年5月28日号掲載