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本格的なオペラ 気軽に身近に

長野オペラプロジェクト初公演へ

長野オペラプロジェクトによる「コンサートシリーズVol.1」で美しい歌声を響かせるテノール歌手池田さん(右)とソプラノ歌手伝田さん(9月30日、ホクト文化ホール小ホール)

 長野市出身のオペラ歌手、テノールの池田徹さん(37)=神奈川県=とソプラノの伝田実咲さん(29)=東京都=の2人が今年1月「長野オペラプロジェクト」を立ち上げ、12月16日(土)、若里市民文化ホールで第1回公演を開く。これに先駆け9月30日、2人が出演するコンサートがホクト文化ホール(県民文化会館)であった。約130人の観客が、ホールに響き渡る迫力満点の美しい生の歌声に聴き入った。

 池田さんは、国立音大声楽科を卒業。小澤征爾音楽塾オペラプロジェクト、松本市で開催のOMF(セイジ・オザワ松本フェスティバル)オペラ公演など注目の公演に出演。伝田さんは、東京芸大声楽科を卒業。二期会オペラ研修所マスタークラス修了。小澤征爾音楽塾オペラプロジェクト、今夏のOMFオペラ「ラ・ボエーム」にも出演した。

 2人は2年前、上田市で開かれたオペラ公演の共演をきっかけに知り合い、共に小諸高校音楽科の卒業生だったことなども分かって意気投合。生まれ育った地域で、子どもから大人まで本格的なオペラを気軽に楽しんで身近に感じてもらう機会をつくりたいと、池田さんが代表、伝田さんが副代表を務めるプロジェクトを発足させた。

 12月の旗揚げ公演ではウインナ・ワルツで知られるヨハン・シュトラウス作曲の喜歌劇の最高傑作とされる「こうもり」を日本語で届ける。せりふ部分の台本は、池田さんが「くすっとできる」地元ネタを折り込みながら書きおろした。上田市出身で高校、大学とも池田さんと同級のソプラノ歌手・三井清夏さん、長野市出身のバリトン歌手・島田恭輔さんら第一線で活躍する若手オペラ歌手4人も出演する。

 「少しでも楽しい記憶に残って、来年も聴きたいと思ってもらえたらいい」と伝田さん。池田さんは、「マイクを使わない生の歌声がすごかったと感じてもらえたらうれしい。会場でしか実感できないオペラの楽しさや魅力を味わって」と話している。

 13時開演。全席自由で一般3000円。小学生以下1000円。未就学児の入場可、席の不要な膝上鑑賞無料。チケットはホクト文化ホール、美鈴楽器。

 (申)(問)(メール)naganooperaproject@gmail.com

 記事・写真  中村英美


2023年10月7日号フロント

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