千曲市の県立歴史館は、開館30周年記念夏季企画展「疾風怒濤木曽義仲〜文書と絵画でみる義仲の一生」を開いています。義仲にまつわる国宝2点、重要文化財3点を含む計60点の貴重な資料が展示公開されています。
県歌「信濃の国」にも登場する平安末期の武将義仲(1154〜84年)は、信濃で挙兵し、当時栄華を誇っていた平家を破って入京。旭将軍といわれ、征夷大将軍となりますが、源頼朝が送った源義経、範頼の軍勢に近江国粟津の戦いで討たれました。
今年は義仲生誕870年、遠忌840年の節目の年にあたることや、近年、平家物語といった軍記物語によるのではない研究が進んでいることから、武将としての義仲以外の側面も紹介する企画展です。
滋賀県大津市にある義仲寺(ぎちゅうじ)の「木曽義仲像」は寺外初公開。荒々しい義仲像とは異なり、入京後に貴族となった束帯姿の義仲を表現した珍しい木像といいます。
「私たちのイメージする『田舎者』『乱暴者』という義仲像は、主に平家物語によるもの。しかし、近年の研究成果からはそれとは違う義仲像が見えてくる」と文献資料課長の村石正行さん。「企画展で義仲がいったいどんな武将だったかを考えてほしい」と話します。
8月25日(日)まで。開館時間は9時から17時。月曜休館(8月12日は開館)。入館料は企画展のみ一般300円、大学生 150円、高校生以下無料。
(問)同館☎︎274・2000
2024年8月10日号掲載
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