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昔懐かしい「昭和グッズ」の数々

  • 4月12日
  • 読了時間: 3分

展示スペース広くして再開 豊野町の高橋勝美さん

再現した昭和半ばの頃の居間に座る高橋さん
再現した昭和半ばの頃の居間に座る高橋さん
昭和談議に花咲かせたい

 昭和時代の映画のポスターやレコード、玩具、ダイヤル式の黒電話、富山の置き薬…。昔懐かしいグッズを長年収集、展示してきた豊野町の高橋勝美さん(76)が、グッズの展示を自宅近くの広い場所に移して再開した。種類・分野は多岐にわたり、数え切れないほど。2019年の台風19号災害で、コレクションの一部は被害を受けたものの、現在は、最近閉店したなじみだった飲食店のテーブルや食器などを使い、店内の再現に力を入れ、「昭和を知る人たちと一緒に、懐かしい話ができる空間にしたい」と張り切っている。


 長年、建設業を営んできた高橋さん。もともと、コインや玩具などを集めるのが好きだったが、市内に古くからあったたばこ店が解体された際、商品棚や看板などを譲り受けたことが、収集熱に拍車をかけた。減っていく昭和の風景に寂しさを感じ、店先をそのまま再現した。


 並べるのは、「わかば」や「HОPE」「ピー缶」など、当時のたばこにこだわった。東京五輪(1964年、昭和39年)時代の居間を再現した際には、足踏みミシンやブラウン管テレビ、丸いちゃぶ台の上の「タカラビール」など、当時の品を探し出した。その後も、解体現場などで出た古い家具や家電、商品棚などを、高橋さんの「思い」に共感した人から譲ってもらうなどするうち、2棟だった保管用のコンテナは14棟にまで増えた。


 高橋さんは1949年、豊野町で生まれた。市内の工務店で働いた後、90年に独立、建設会社を創業した。仕事一筋で、見合い結婚した妻の和子さん(73)との初のドライブデート先は、建前を控えた住宅だった。2010年には市内のホテルで、多くの関係者を招いて創業20周年パーティーを盛大に開くなど、仕事は順調だった。


 19年、長野市内を襲った「台風19号水害」で自宅1階のほか、隣接する作業場や資材置き場も浸水し、機材や木材は全滅。コレクションの多くは、高台にあったモデル住宅2階に保管していたため、被害は少なかった。住まいをモデル住宅に移した後、脳梗塞で倒れた。退院後、徐々に縮小していた仕事を昨年、引退した。


 「収集癖は、子どもの頃、あまりおもちゃを買ってもらえなかった反動かな。仕事を引退したので、コレクションに集中できる。昭和談議に花を咲かせられれば」と笑う。和子さんも、「コレクションを通して交流が広がっていけば」と話す。


 楽しみの一方で、2人の悩みは、コレクションを将来どうするか。「今はサッカーに夢中の孫が引き継いでくれたら」と、秘かに期待している。


 見学は要連絡。展示場所は国道18号線と117号線「浅野交差点」近く=地図参照。


 (問)高橋☎︎090・5558・5082


記事・写真 斉藤茂明


2025年4月12日号フロント

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