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日本画の伝統 「花鳥画」 特集

池上秀畝と松林桂月に注目 水野美術館「色鮮やかな競演」

近現代日本画の花鳥画の名品が並ぶ展示室

 若里の水野美術館は水野コレクション「花鳥を愉(たの)しむ〜池上秀畝、松林桂月 花鳥画の名手たち」を3月26日(日)まで開いています。

今回は所蔵品の中から、日本画の伝統的な画題である「花鳥画」を特集。四季折々の花木とともに鳥や動物などの生き物を描いた作品53点が展示室を華やかに彩ります。

 中でも、花鳥画を得意とした伊那市高遠出身の池上秀畝(1874〜1944年)と山口県出身の松林桂月(1876〜1963年)に注目。秀畝は金地の大画面に夏を代表する草花とその間を飛び交う吉祥鳥叭叭鳥(ははちょう)を描いた「盛夏」など。桂月は、白梅の枝に止まる一羽のシジュウカラが愛らしい新収蔵の「早春」など、それぞれの花鳥画の代表作を展示紹介しています。館によると、「どちらも大正以降画壇の重鎮として活躍した画家だが、一部の人にしか知られていないのが実情。たくさんの人に2人の作品の魅力を知ってほしい」と言います。

 大正から昭和にかけて活躍した児玉希望や堅山南風らの作品、上村松園や伊東深水ら美人画の女性の着物にあしらわれた模様や背景に描かれた花鳥にスポットを当てた作品、墨の表現に着目した作品なども並びます。春から冬にかけての四季を作品で巡るように構成された展示室もあります。

 「生き生きと生命感あふれる花や生き物たちの色鮮やかな競演を楽しんで」と同館。

 2月19日(日)10時から学芸員によるギャラリートークがあります。申し込みは当日。参加費は入館料のみ必要。

 開館時間は9時半から17時。月曜休館。入館料は一般1000円、中学・高校生600円、小学生300円。小中学生は土曜日無料。

 (問)同館☎︎229・6333


2023年2月11日号掲載

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