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戸隠「宝光社」の新たな地域拠点

  • 6月13日
  • 読了時間: 3分

カフェ「戸隠二番館」オープン

落ち着いた空間の店内(左が武井さん)
落ち着いた空間の店内(左が武井さん)
観光案内所の機能併設 人や物の魅力ふれるきっかけに

 戸隠神社宝光社近くに観光案内所の機能も併設したカフェ「戸隠二番館」がオープンして1カ月たった。休日は観光客が訪れ、平日には地元の人がお茶を楽しむなどにぎわいをみせている。土産品の販売や観光案内も行うため新たな地域の拠点として期待される。


 そば店だった「そばの里二番館」の一部を改修した。重厚な梁(はり)や柱、高い天井はそのままに、席数を減らしたり、照明を変えたりし、ゆったりと落ち着ける空間にした。宝光社地区の炭焼き文化を象徴する囲炉裏(いろり)は残した。同地区にある宿坊の女将(おかみ)が数種類の薬草などをブレンドしたオリジナル薬膳茶や薬膳茶のジェラート、戸隠の水でいれるコーヒー、地場産のそば粉を使用したおやきやフィナンシェ、和菓子などを提供している。土産品は、戸隠そば、地元素材を使った漬物やジャム、伝統工芸品の「戸隠竹細工」などを販売、夏季には産直野菜の販売も行い、作り手と消費者をつなぐ。観光案内としては、戸隠観光協会と連携し、観光スポットの混雑状況や交通案内、そば店の営業状況などを紹介している。


 市指定管理者として「そばの里二番館」を運営する同地区から相談を受け、再活用したのが代表の武井智史さん(35)だ。実家は同地区の宿坊で、高校を卒業後、市内の造園業や観光、映像・web制作の会社などで働いた。戸隠スキー場開業50周年記念の映像制作や同スキー場の子ども向け「忍者スロープ」のリニューアルに関わった。「一度、戸隠の外から見ると改めてポテンシャルの高さを感じた」と武井さん。現在は、戸隠スキー場などの運営会社「戸隠」に勤めている。


 また、地区内外の事業者らと空き家の再生にも取り組んでいる経験なども重なり、戸隠の伝統文化を守りながら、若さや新しい視点を取り入れたカフェを試みた。スタッフは、普段は観光ガイドや竹細工職人として活動する地元の若者が務める。竹細工のワークショップを開催するほか、長野吉田高校戸隠分校の学生と連携し、商品開発やSNSマーケティングなどで、若い感性を運営に生かしていきたいとしている。


 市によると、戸隠を訪れる観光客は年間約150万人。武井さんは、多くは戸隠神社を参拝し、そばを食べると次の目的地に向かう「通過型」で、戸隠の良さを知る機会が少ないと感じていた。カフェが、観光客がローカルフードを楽しみながら、戸隠の日常の中にある人や物の魅力にふれられるきっかけになれば—と期待し、「地域経済の循環や若者の雇用創出につなげていきたい。将来、地域で活躍する若者が増え、戸隠の文化が未来に受け継がれるような場になれば」と意気込みも見せる。


 観光客、地元の人が利用しやすいように駐車場は無料にし、Wi—Fiを完備している。営業時間は9時から17時、火曜定休。


記事・写真 斉藤茂明



2026年6月13日号フロント

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