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憧れの大舞台パリコレへ

ヘアメークアーティスト三水芳信さん

仕事が終わった後、パリコレに向けてトレーニングを重ねる三水さん
全身全霊で取り組む

 稲里町のヘアサロン「APRIRE (アプリーレ)」代表のヘアメークアーティスト三水芳信さんが9月23日(月)から10月1日(火)までフランス・パリで開かれるファッションの祭典、パリ・ファッションウィーク(パリコレ)にヘアスタイリストとして参加する。長年憧れ続けて実現した大舞台への挑戦。三水さんは「ファッションの世界最高峰の場で自分の技術を出し切って、新たな自分を発見してきたい」と抱負を語る。

 小川村生まれ。地元で理髪店を営む父母の背中を見て育った。幼い頃からお客さんが喜んで帰っていく姿を見て、「誇らしく」感じ、自然に理容師を目指した。地元の高校を卒業後、県内の専門学校で学び理容師として出発。25歳の時、映像でパリコレで活躍する著名なフランス人美容師の技術の高さを目の当たりにし「いつか自分もここに立ちたい」と、美容師の道を歩み始めた。

 長野市の美容室勤務で経験を積んだ後2002年にアプリーレをオープン。それから16年を経た18年の夏、世界4大コレクションに出場経験があるヘアメークアーティストのセミナーを受講。これをきっかけに、実際にコレクションでヘアメークやメークアップに携わる日本チームの選考試験を受ける機会を得て合格した。以降、19年2、9月と翌20年2月の「ニューヨーク・コレクション」に続けて参加して実績を重ねた。3回の経験は「自分の弱いところを強くしてくれた。何にでも挑戦できる力の源になった」と振り返る。

 コロナ禍を経て日本チームの活動が、自身の最終目標としていたパリコレから再開する知らせを受け、チームのメンバーに加わった。今回は全国から集まった7人で構成する。

 三水さんは、サロン経営の傍ら、母校の長野・松本理美容専門学校でデザインカットの講師を務める。近年卒業生の多くが、長野県を離れ首都圏で就職する傾向にあることを危惧。今回の参加には、県内で学ぶ学生や若いヘアスタイリストたちに「地方のヘアスタイリストも世界に通じることや、信州でもヘアメークの技術を上げられることを伝えたい」思いもある。

 「パリコレは、いつかそこに立つことを目指した40年近くの美容師人生の目標で夢の舞台。自分にしかできない仕事に全身全霊で取り組んできたい」と決意を語った。

 記事・写真 中村英美


2024年9月7日号フロント

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