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感動を還元し 地域の活力に

早大高等学院中学部119人

若穂支所で開かれた早大高等学院中学部2年生が発見した「地域の宝」展示会
農家民泊で発見した「地域の宝」展示

 「手箕(てみ)も薪もごく普通のものだけどこんなところに目が向くのか。面白いね」―

 早稲田大学高等学院(練馬区)中学部2年生119人が昨年10月、長野市内での農家民泊を通して発見した「地域の宝」をそれぞれ写真と文でまとめた「〝しなの〟この一枚」を発表する展示会が12月22日、23日、若穂支所と篠ノ井村山スポーツセンターで開かれた。「若穂農家民泊の会」の伊藤昭衛さん(74)は仲間と話しながら生徒たちのレポートに見入った。ほかの関係者たちも、都会で暮らす生徒たちが見つけた「地域ならではの宝」に改めて着目した。

 同校は2010年の中学部開設以降、毎年2年生が2泊3日の「長野宿泊研修」を実施してきた。生徒たちは3、4人の班に分かれて、受け入れ農家の暮らしを体験する。

 展示会は、2年生のクラス担任佐々木智章さん(43)が、「生徒が発見した『宝』から、地域の良さを再発見できる機会に」と初めて企画。会場に生徒たちの成果物72点を張り出した。

 各生徒が取り上げた「宝」で多かったのは、田や畑、山を写した地域の景観、おやきやりんごジュースなどの食、積み上げられた薪や薪ストーブの三つ。「長野のもったいないを減らすリンゴ飲料」をテーマにした生徒は、そこには売れないリンゴを活用して、高齢者にも簡単にできるという長野県にマッチした二つの工夫があると解説。「リンゴ農家の薪」を取り上げた生徒は、古くなったリンゴの木を薪にして、ストーブや風呂を沸かす燃料、キノコ栽培にまで暮らしに無駄なく活用していることを紹介していた。

 毎年5月から10月にかけて7校ほどの中高生を受け入れる若穂農家民泊の会の角田都貴江さん(71)は、「農業体験をどう提供するかばかり考えていたけれど、生徒たちにとっては地域丸ごとが初めての体験で新鮮だったんだと気づかされた」。大岡で受け入れをしている大岡グリーンツーリズム倶楽部の石井圭子さん(61)は、「行って終わりでなく、こんなかたちで返してくれたことでつながりを感じてうれしい」と喜んでいた。

 佐々木さんは、「帰ってきた生徒たちの表情が生き生きと変わるくらい農家民泊は最強。生徒たちの感動を還元することが地域の活力につながればいい」と話した。

 長野市の農家民泊の受け入れは2004年から。鬼無里、大岡、芋井、信更、七二会、信里、信州新町、若穂、松代の9地区で行った2023年には、都市圏の高校2校、中学校15校から、1560人が訪れた。

 記事・写真 中村英美


掲載日2024年1月20日


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