幕末頃の善光寺境内案内図

小島の金児さん宅で見つかる 御開帳開催中 タイムリーな話題

版木を手にする金児英一さん(左)と妻の英子さん

 幕末の頃に作られたと思われる善光寺境内の案内図の版木が、小島の個人宅で見つかりました。由来など詳細は分かりませんが、版木自体は珍しく、善光寺御開帳開催中の折、ちょっとした話題になっています。

 版木が残っていたのは金児英一さん(84)宅。家の片づけを進める中で出てきました。それを知った金児さんの知人が版画を刷ってくれました。

 版木は縦54センチ、横31センチ、厚さ約2センチ。右上の枠に記されたタイトルは「信州水内郡芋井郷善光寺如来堂境内之図 並ニ近郷江道法付」。上方(北)中央の本堂を中心に下方(南)に向かって山門、仁王門、新田町までを描いた絵地図で、寺の領地や本堂の大きさ、坊舎の数、越後や中山道、川中島古戦場、姨捨への距離なども書き込まれています。

信州水内郡芋井郷善光寺如来堂境内之図

 版木の内容は今でいう「観光案内」で、「御開帳の際に参拝者に販売したものではないか」と、市公文書館主任専門主事の西沢安彦さん(76)。案内図は参詣者向けにさまざまな折に制作されましたが、残っている版木は少なく、貴重といいます。

 見つかった版木が制作されたのは江戸時代の終わりごろから1868(明治元)年までの間。水内郡の表記から上水内郡と下水内郡が発足した79(明治12)年以前のものであること、本堂の後ろに、明治初年の神仏分離令で取り払われた年神堂が描かれている点がヒントになるといいます。ただ通常記される版元の名称が入っていないことから、販売を目的にしなかった可能性も指摘します。

 「御開帳の時期にこうして印刷してもらえたのも何かの縁」と金児さん。「少しでもどんなものなのか分かってうれしい」と喜んでいました。


2022年6月4日号掲載