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巳年に改めて注目

西光寺の大蛇の塚

大入と小入の法名が刻まれた墓の説明をする竹沢住職

 今年の干支は「巳」。蛇は、金運、財運の神として知られています。絵解きで知られる「かるかや山西光寺」(北石堂町)には「朝日山大蛇の塚」と呼ばれる「大入、小入(おおにゅう、こにゅう)の墓」があります。中央通りに面した入り口横にひっそりとある塚は霊験あらたかなパワースポットとして今も広く信仰を集めています。


 この塚にまつわる話は、1835(天保6)年の出来事。この頃、朝日山には2匹の大蛇が住んでいて、大きい方は大入、小さい方は小入と呼ばれていました。ある日、今の北石堂町に住んでいたきこりの忠兵衛は、朝日山で大入を古木と見誤って切り殺してしまいます。忠兵衛は大きな死骸を持ち帰り、見物料まで取って見世物にしました。しかし、忠兵衛はその日のうちにたたられて狂死。一族も3日のうちに死に絶えてしまいました。

1月の季節限定御朱印

 このたたりを鎮めるため西光寺住職が、大入と、まだ朝日山に住んでいるはずの小入に法名を授け、それを刻んだ墓を境内に建てて、霊を慰めたところ、たたりを受ける者はいなくなったといいます。


 高さが約1.9メートルあり、2匹の法名が並んで刻まれた朝日山産の自然石の墓石の前には、一年を通じて蛇の抜け殻を納めに来る人が多く、卵の殻が供えられていることも。竹沢泰宏住職(30)は「家運隆盛、無病息災、金運招福などに霊験あらたかな蛇塚。お寺にもお参りいただきご縁を結んでいただければうれしい」と話していました。春には供養のお参りを計画中です。


 同寺発行の御朱印はすべて竹沢住職がデザイン。1月の季節限定御朱印には蛇塚と供養石が描かれています。


2025年1月1日号掲載

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