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川柳美すゞ吟社 304ページの本に

川柳を支えに85人の泣き笑いインタビュー

「川柳を支えに」を紹介する深見さん
川柳雑誌「美すゞ」。2014年1月号から深見さんが表紙絵を手掛けている
熱い思い伝わる一冊

 長野市を拠点に活動する川柳愛好者のグループ「川柳美すゞ吟社」(会員99人)は、会員の自己紹介と川柳との関わりなどを語ってもらった連載をまとめた単行本「川柳を支えに 85人の泣き笑いインタビュー」を刊行した。

 「美すゞ」は、1936(昭和11)年1月の創刊。最新刊の2024年6月号は通巻896号を刻む。インタビューは、2013年から編集長を務める深見多美夫さん(90)が企画した。同会には、地元だけでなく県内各地、関東や中京圏から参加している人も多くいる。市内で月に1回、会員が顔を合わせて作品を競い合う句会を開いているが、遠方からの出席は難しく、誌面に掲載される作品で、作者を想像するしかなかった。

 そこで、深見さんは「みんなにたどってきた人生を披露してもらったら、会員同士、より親しみが湧くのでは」と、誌面に会員一人一人を紹介するコーナーを企画。顔写真とともに編集部が用意した質問に答えを書いてもらう問答形式で会員インタビューの連載を始めた。

 本書には、同吟社が毎月発行している川柳雑誌「美すゞ」の2013年9月号から23年12月号まで通算7年半にわたって掲載した会員85人分の「誌上インタビュー」が掲載されている。内容は、川柳をいつから、どんなきっかけで始めたのか、自作で特に思い出に残っている句、生い立ちや近況などについて聞き、最後に編集部が感想やメッセージなど短いコメントを「あとがき」として載せるようにした。

 トップバッターは、当時93歳、最高齢会員だった村松香昇さん。22歳ごろに職場に配られていた雑誌に投句した作品が採用されて以来、面白くなって作るようになった。これまでに入選した句は800句を数え、一番印象深いのは、美すゞ年度賞をとった「土壇場で分かる器の大と小」。美すゞ調の伝統句が好きなことを明かしている。

 13年11月号掲載の丸山宣久さんは当時78歳。大人気だったサラリーマン川柳への投句歴は10年、2010年に「すぐ家出諭吉はわが家の問題児」で全国第5位に。退職後にフランス語に興味をもちカンヌとボルドーに語学留学した逸話も披露する。

 出来上がった単行本に「川柳がそれぞれの人生譜に彩りを添え、どれほど心の支えになっているか、みなさんの熱い思いが伝わって川柳の良さを改めてかみしめられた」と深見さん。「本を通して会員の交流を深められたらうれしい」と話した。

 巻末の番外編では、88年にのぼる吟社の歩みや「美すゞ」という名称のもととなった「みすゞ」の由来についても紹介している。

 A5判、304ページ。

 (問)事務局(深見)☎︎233・1764

 記事・写真 中村英美


2024年6月8日号フロント

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