川中島町出身の伊藤駿祐さん 車椅子から見える風景をカメラに

8月に市芸術館で写真展

東京・昌平橋で撮った作品
やりたいことは 障害があってもできる

 電動車椅子にカメラをくくり付け、気に入った街並みやかっこいいと感じた景色を撮りためてきた。自身を「ユーチューバーで、職業は障害者」と言う伊藤駿祐さん(29)=川中島町出身、東京都在住=が8月25日(木)から27日(土)、初の写真展を緑町の市芸術館で開く。

 伊藤さんは脳性まひで運動障害がある。しかし、自分のしたいことに目を向け、人生をアクティブに楽しんでいる。

 東京で一人暮らしをし、一人で出掛け、好きな音楽を聴きながら写真を撮る。知らない場所で「迷子」になり、見たことのない景色に出合うのが楽しい。カメラを車椅子に固定すれば重さは気にならない。撮った写真は15年間で3万枚を超えた。

市芸術館に打ち合わせに来た伊藤さん

 伊藤さんが撮るのは車椅子から見える景色だ。季節の風景と人々の姿、ビル街の夜景や公園、並木道…。テーマもジャンルもない。偶然出合った景色を自由に撮る。

 写真展開催のために、自身のユーチューブチャンネルやSNSを利用してアイデアや資金を募った。障害の有無や住む国もさまざまな人々が意見を寄せ、こうしたネットでつながる仲間と、以前からの友人と共に展示を準備。「友人がたくさんいる長野市で開き、一緒にわいわい楽しみたい」「障害のある人も見に来られるように」との思いから、会場にバリアフリーの市芸術館を選んだ。

 一人旅をしたり、プロレスリングに上がったりと、障害にとらわれず、たくさんの「やりたいこと」に諦めずに挑戦してきた。それは「母(の節子さん)が選択肢を広げられるように育ててくれたから」という。「やりたいことを全部やり尽くしてもう遊ぶのに飽きた—と言えるぐらいになりたい」

 ユーチューブチャンネル「スカイロード〜車椅子で我が未知を行け」では、本音を語り、視聴者からのストレートな質問に率直に答える。伊藤さんの生き方や、障害をタブー視しがちな社会への思いが伝わってくる。

 写真展を通じて「やりたいことは障害があってもできると伝えたい」。一方で、「たとえ伝わらなくても、『あいつ、本当に写真展を開いたんだ』と思ってもらえるぐらいでもいい」とも。自然体で観客を迎える。

記事・竹内章世

 

写真展「障害者ガチ勢が見た世界」

8月25日(木)から27日(土)、12時から17時(27日は18時まで)、長野市芸術館1階展示サロンで。入場無料。

 (問)(メール)skyroadbrothers@gmail.com


2022年7月16日号フロント