top of page

子ども中心に…意見交換

どうする部活の地域移行 戸隠で体験会

講師が自宅の庭からとってきた植物の種を観察

 戸隠の住民と地域の保育園、小中高校が協力して子どもの育ちを応援する独自の連携組織「とがくしっこ応援団」と、戸隠住民自治協議会は11月2日、「地区懇(ちくこん)ぷらす」を戸隠中学校で開いた。「地区懇ぷらす」は、子ども数が減少する中、PTAと各集落が行ってきた地区懇談会を集落単位ではなく戸隠全体で取り組もうと2021年度にスタートした。今回初めて、子どもたち向けの体験会「カルチャーマルシェ」を企画。戸隠中の生徒と戸隠小の4〜6年生計約80人が参加し、陸上、ボルダリング、自然観察など、12種類の多種多様な体験ブースをグループで回った。


松橋さん(右)から手裏剣の扱い方を教わる小学生

 生徒数45人の戸隠中学校には現在、「総合スポーツ部」「総合文化部」の二つの部活動があり、来年度の夏の大会以降、本格的に部活の地域移行を進めていく方針。今回の「地区懇ぷらす」は、子どもたちと地域の大人が一緒になって体験することを通して今後の在り方を探る狙いがある。


戸隠でのイベントなどで活動しているという「戸隠忍者太鼓」のメンバー(右端)から、太鼓のたたき方を教わる小中学生

 「マルシェ」の体験ブースはすべて、戸隠を拠点に活動している人が講師を担当。戸隠流の忍法道場「玄神館」館長の松橋一穂さん(70)は「戸隠の忍者のことを地元の子どもにも知ってほしい」と、手裏剣などの体験道具を用意。「海外の人に聞かれた時に、忍者の構えをすっと教えられるといい。子どもたちには、アニメやドラマとは違う、本物を知ってほしい」と話す。初めて手裏剣に挑戦したという戸隠小5年の和田翔太郎君は「難しくて最初は全然当たらなかったけれど、的に当たったら楽しくなった」と満足そうだった。


部活の地域移行について意見交換した懇談会

 子どもたちが体験する様子を、教員、保護者、住民らが見学。その後大人たちのみで行った懇談会には、講師も含めて約50人が参加。講師たちからは「子どもたち自身が何をやりたいか、子どもたちを中心に地域移行を考えていきたい」「今回の楽しかった体験が、『もうちょっとやりたい』につながってくるのでは」「一人でも興味を持つ子がいれば、その一人のためにやりたい」といった意見が上がった。

 団長の徳武有紀さん(60)は「課題はたくさんあるが、地域の取り組みとしてかたちにしていくために、地域からもご意見をいただきながら進めていきたい」と話している。

 記事 松井明子

 写真 斉藤茂明


2023年11月11日号フロント

bottom of page