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子どもオンブズパーソンってなあに?

市民有志の団体がリーフレットで解説

長野駅前で親子連れにリーフレットを渡す「子どもにやさしいまちフォーラム」のメンバー=1月17日
長野駅前で親子連れにリーフレットを渡す「子どもにやさしいまちフォーラム」のメンバー=1月17日
市・市議会が条例制定に向けて議論

子どもの相談・救済を行う第三者機関

 市民有志6人で活動する団体「長野市子どもにやさしいまちフォーラム」はこのほど、「子どもオンブズパーソンってなあに?」と題したリーフレットを6000部作成した。市と市議会が子どもの権利条例制定に向けて議論を進めている中、同フォーラムは公正中立な立場で子どもの相談・救済を行う第三者機関「子どもオンブズパーソン」の設置を求めて署名を募っている。オンブズパーソンの認知度はまだ低く、リーフレットを通して、より多くの人に制度の内容や役割を知ってほしいと願っている。


 同フォーラムはこれまで、子どもの権利について市民が学び合うフォーラムを不定期で開催してきた。長野市と市議会で議論が進められている長野市の子どもの権利条例に、子どもオンブズパーソン設置の規定を入れるよう求める署名を昨年11月から集めている。


リーフレット
リーフレット

 自治体によって名称は異なるが、こうした第三者機関は現在、全国50以上の自治体に設置されている。県内では松本市が2013年に施行した「松本市子どもの権利に関する条例」に、「子どもの権利擁護委員」の設置を定め、子どもの権利相談室「こころの鈴」を開設。同相談室には2023年度、180件(延べ426件)の相談があった。


 同フォーラム代表の丸山香里さん(60)は、「行政や学校などの組織から独立した立場から子どもの話を聞いてくれる人がいないと、大人の都合で事が運んでしまうことも。純粋に子どもの話を聞いて、尊重し、子ども自身が自分の権利を守る力を付けて問題を解決していけるようにすることは、第三者機関だからできること」と話す。


 長野駅前での街頭署名をこれまで10回以上実施してきた。そもそも子どもオンブズパーソンを知らない人が多く、道行く人の反応はさまざまだが、大学生が「自分は以前いじめに遭っていたことがあるので協力させて」と署名に応じたり、松本市から来た人に「大事なことだから頑張ってください」と声を掛けられたこともあったという。


 丸山さんは「悲しみ苦しんでいる子どもたちは現実にいます。子どもの権利条例に関心を寄せて、すべての子どもが安心して暮らせる長野市にするために、みんなで考えていきましょう」と呼び掛けている。


 署名は1月31日(金)を第1次締め切りにしており、オンライン署名サイト「Change.org」から署名できる。リーフレットと署名用紙は「信州・生活者ネットワークながの」の公式ウェブサイトからダウンロードでき、郵送もしている。

 (問)丸山☎︎090・9660・4871


 

 子どもの権利条例に関して、他団体も活動を始めている。長野の子ども白書編集委員会事務局が、同条例についてみんなで話し合うワークショップ「長野市に子どもの権利条例ができるって? その1」を企画。2月2日(日)14時から17時、市ふれあい福祉センター(緑町)4階第2会議室で。松本市の子どもの権利擁護委員の北川和彦さんがゲスト。参加無料。

 (問)長野の子ども白書編集委員会事務局(小林)☎︎090・3806・9332


記事・写真 松井明子


2025年1月25日号フロント

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