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子どもが安心できる居場所として

  • 5月30日
  • 読了時間: 3分

「ちよここども食堂」」3周年 2児の母 小湊さん(30)運営

ちよここども食堂を訪れた家族連れの母親らと笑顔で言葉を交わす小湊さん
ちよここども食堂を訪れた家族連れの母親らと笑顔で言葉を交わす小湊さん

 5月中旬の土曜の正午過ぎ、三輪のおやき店「おやきや千代子」三輪店内にある「ちよここども食堂」に親子連れが入れ替わり立ち替わり訪れた。子どもたちは店頭のボードから一人1個のリボンを手に取り、店のスタッフに渡した。スタッフはこの日のメニューの「手巻き寿司」を子どもに用意した。テーブルには昼食を楽しむ家族らの笑顔の輪が広がった。


 「ちよここども食堂」は6月1日開業3周年を迎える。食堂を切り盛りしているのは代表の小湊瑞希さん(30)。小2と小1の子育て中の母親でもある小湊さんは埼玉県生まれ。18年秋、結婚を機に埼玉から夫陽介さん(37)の父が営むおやき店がある長野市へ夫婦で移住した。


 調理師免許を持ち、料理に携わる仕事をしてきた2人は、陽介さんの祖母の名を冠したおやき店「おやきや千代子」(七瀬南部)で働きだした。瑞希さんはほどなく出産し、コロナ禍での育児を余儀なくされる。相談先もないままに孤立感を深めていた時期に、たまたまチラシで見た子ども食堂を訪ねた。そこで孤軍奮闘する母親たちに出会い、「大変なのは自分だけじゃないんだと感じられたのが救いになった」。


 「今度は自分が少しでも、頑張っている母親や子どもたちの力になりたい」。2023年6月、「おやきや千代子三輪店」のオープンと同時に、「こども食堂」を立ち上げた。小湊さんが取り入れたのは、飲食店を拠点とした新たな子ども食堂運営の仕組みとして全国に広がっているフードリボンプロジェクト。飲食店利用客や支援者らに一つ300円のリボンを購入してもらい、それを運営資金にしている。中学生までの子どもたちは営業時間内ならいつでもリボンを提示すると、無料で食事ができる。


店頭のブラックボードにフードリボンを貼る小湊さん。中学3年生までの子どもであれば、1日1回リボンを取って店のスタッフに渡すと無料で食事ができる。ボードには地域の人たちにリボンの購入をお願いする文言も
店頭のブラックボードにフードリボンを貼る小湊さん。中学3年生までの子どもであれば、1日1回リボンを取って店のスタッフに渡すと無料で食事ができる。ボードには地域の人たちにリボンの購入をお願いする文言も

 4月下旬までに提供した食事は3530食。基本のメニューはカレー、チキンライス、おやきなど6種類。そこにポテトサラダなどのおかず2品を併せて提供する。月何回と開催日が決まった一般的な子ども食堂と異なるのは、月曜から土曜まで9時半から16時まで利用できるところ。週3〜4回利用する子どもが多いという。学校で嫌な思いをして上履きのままやはだしで飛び出してきた中学生、親に暴力を振るわれるつらい気持ちを相談する子ども、不登校の子どもも訪れる。小湊さんは「3年間の活動で、本当に困っている子が地域にたくさんいることを知った」と話す。


 取材した日、小6と小1の子どもと店を訪れていた30代の母親は「利用させてもらうことで家庭に笑顔が増えた」と感謝。小6の女子は「ご飯がおいしいし、みんな優しくてここに来るのが楽しみ」と喜んでいた。


 小湊さんは「子どもたちがおなかも心も満たせる安心できる居場所として長く継続していきたいと思う」と力を込めた。


記事・写真 中村英美



2026年5月30日号フロント

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