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大観について語った言葉に注目

水野美術館で横山大観展

巨匠大観の魅力がたっぷりと詰まった作品が並ぶ

 若里の水野美術館は開館20周年記念特別展「横山大観展〜語る大観、語られる大観」を開いています。4月30日(日)までの前期と5月2日(火)から5月28日(日)までの後期で20点を入れ替え、合わせて89点を展示します。

 横山大観(1868〜1958年)は、明治から昭和にかけて近代日本画壇をけん引した日本画家で、1937年には第1回文化勲章を受章しています。

 今回の特別展は、大観が語った言葉や周囲の人々が大観について語った言葉に注目することで、巨匠としてのイメージが先行する大観の人としての魅力にふれながら作品を楽しんでもらおうという企画。大観の画業の始まりから晩年に至るまでの名品に加え、大観と交流があったり、影響を受けたりした作家らの作品が並びます。

 同館コレクションの代表作「無我」は、「世間ではこれを私の出世作などと言っております。雅号大観の初めて用いられたものであります」と大観の言葉で紹介。赤く紅葉した柿の葉と青々とした松の色彩の対比が美しい6曲1双屏風「柿紅葉(習作)」のキャプションには、「空前にして殆(ほとん)ど絶後なる特異の光彩を放てるものは実に光琳の色的印象派に在りと存候」と添えられています。

 同館は全国有数の大観作品の所蔵館で、現在の所蔵数は36点。今回の特別展には関東方面にある12館から約50点が出品されています。

 学芸員の野口春花さんは「大観自身や他者が大観を語る言葉に注目した展覧会。大観がどんな人だったのか、巨匠を身近に感じながら作品を楽しんでほしい」と話していました。

 会期中、4月22日(土)14時、5月14日(日)10時から、同館学芸員が展示室を巡りながら作家と作品について話すギャラリートークがあります。参加無料、入館料が必要。

 開館時間は9時半から17時半。月曜休館。入館料は一般1200円、中高生700円、小学生400円。小中学生は土曜日無料。

 (問)同館☎︎229・6333


2023年4月22日号掲載

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