「おーかのうち」オープン準備中のNPO法人
大岡で何を見て何を感じるか
長野市大岡地区の自然や農山村文化にふれる体験事業などを行うNPO法人「Oooka森の学び舎」は、体験活動日以外も子どもが過ごせる第三の居場所をつくろうと、空き家を改装して「みんなの田舎 おーかのうち」をオープンに向けて準備中。このほど、おーかのうちで過ごす親子が大岡を散策する時に使う「冒険の地図」を作るワークショップが開かれ、市内の高校生や大学生が参加した。
森の学び舎は2020年に法人化。大岡の住民約20人が中心になり、それぞれの得意分野を生かして活動してきた。同法人理事で自然体験指導員の市河典子さん(46)がこれまで、大岡に点在する自然物を見つけるのを楽しむ「冒険の地図」を自身で作っていたが、大岡に初めて来た人たちが何を見て、何を感じのるかを知りたくてワークショップを企画した。
当日は若者5人が徒歩チームとEバイクチームに分かれて、豊葦原神社、小聖の湧水、林道などを散策。芦ノ尻道祖神では、石碑に飾り付けられたわらの神面を見上げ「水が豊富で昔から米がとれたから、わら文化が発展した。こうして人がどう暮らしてきたかを見るのは面白いよね」と同法人メンバーの内田光一郎さん(66)が若者に語り掛けた。
話に聞き入っていた文化学園長野高校3年の花井彩姫(さき)さん(17)は祖父が大岡で生まれ育ったことから、今回の地図作りに興味を持ったという。「以前は田舎が好きではなかったけれど、今はこの何もない感じが好き」。
花井さんに誘われて参加したという同3年の小杉天花さん(17)は「コロナ禍以降、私の住む地域では以前より人との関わりが減ったと思う。でも大岡の人たちはつながりあってアットホームな感じがする」と話した。
居場所事業は既にスタートしており、おーかのうちの工事が終わるまでは、公民館を借りるなどして行っている。秋までにはおーかのうちをオープンさせ、今年度中は施設開放を週2回のペースで行っていく予定。「おーかのうちの利用を通じて大岡を気に入ってもらい、移住のきっかけになったらいいな」と市河さん。
今回参加した学生たちの発案で、彼らが主体になり、地図を活用して子どもたちが探検する活動の計画も進んでいるという。
(問)森の学び舎☎︎080・4630・6202、(メール)oooka.morino@gmail.com
記事・写真 松井明子
2024年8月24日号フロント
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