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大岡の子育てサークル「zuku-zuku」

代表 田中香織さん

写真左=ボランティアの元保育士のなぞなぞに夢中の子どもたち 右=お花見会の参加者ら
地域住民ら多世代交流を楽しむ

 「大岡の子どもの数は少なく、同学年がほとんどいないような環境。その中で、いろいろな背景の子やいろいろな世代の人との時間を大切にした子育てをしていきたい」そう話すのは、大岡の子育てサークル「zuku —zuku」代表の田中香織さん(44)=大岡芦ノ尻。0歳から6歳の子どもと保護者が中心の同サークルで、大岡の自然にふれながら子ども同士、親同士の交流や、地域住民との多世代の交流を楽しんでいる。

田中香織さん

 田中さんは夫と息子2人の4人家族。教会の維持管理の仕事のために神奈川県から移り住み、大岡での暮らしは今年で14年目。サークル活動には次男の紬喜(つむぎ)ちゃん(4)と参加している。

 同サークルは公民館講座として、保健師を囲んで子育て中の親子のための会が開かれたのをきっかけに、2014年にスタート。前年度末に大岡保育園が休園し、地域内で未就学児の親子同士が顔を合わせる場所がなくなったことがサークル発足の理由の一つだ。

 当時長男が0歳だった田中さんは、サークル発足当初から参加してきた。一緒に参加してきた子どもたちが成長するなどして参加者が減った5、6年前、代表を引き継いだ。それまでは保健センターなどの室内でおしゃべりをして過ごすことが多かったが、「大岡の自然の中で季節を感じられる活動をしたい」と、大岡保育園の園庭を活用するなど、体を動かす外遊びを取り入れて交流するようになった。

 今年度初めての活動となった4月は、教会の庭にある桜の下でお花見会を催した。親子3組のほかに、元保育士や主任児童委員、大岡小学校児童の保護者、移住者などの住民ら11人も参加した。「お母さんたちをバックアップしたい」と自らボランティアで来ている人、田中さんから誘われてきた人。


桜の木の下で大型絵本を楽しむ参加者たち

 参加する理由も、年齢も性別もさまざまで、一見すると子育てサークルだと分からないほどだ。田中さんが誘った理由も「気分転換、リフレッシュしてほしい」「小さい子と接することで、自分の学びにつながるのでは」など、それぞれ違うが、大人みんなが一緒になって子どもたちが遊ぶ様子を見守っている。

 昨年は未就学児と小中学生が一緒にレクリエーションを行うなど、異年齢児の交流の輪も広げている。

 田中さんは、大岡を愛しながらも、事情でやむを得ず去っていった子育て仲間たちにも思いをはせ、「身近な友達と遊んだり、親同士が仲良くしたりしたこと、地域の方がしてくれたこと。出会いの一つ一つを、大岡での思い出としてみんなで積み重ねたい」と願っている。

 記事・写真 松井明子


2023年5月13日号フロント

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