小布施町の高井鴻山記念館は12月18日(水)まで、小布施町政施行70周年記念秋季特別展「古刹岩松院と北斎・鴻山の名品展〜歴史に刻まれる風景」を開いています。
葛飾北斎が描いた本堂大間天井絵「八方睨鳳凰図」があることで有名な岩松院は1472年の開山。
高井家の菩提寺であったことから、1815年の焼失後には鴻山が世話人となって再建。この時、鴻山の支援を受けた北斎が天井絵を手掛け、1846年に完成させました。
今回は、岩松院が所蔵する寺宝の中から、「釈迦涅槃図」や「釈迦一代記」など極彩色が特徴の大幅を中心に、信徒から奉納された狩野探幽の「普賢菩薩」「文殊菩薩」など17点を展示。ほかに天井絵作成に必要な絵の具を用意するために鴻山が送った下絵に北斎が彩色をして送り返した「鳳凰図下絵」、北斎が鴻山に宛てた手紙や鴻山の絵や書の師らの作品を貼って仕立てた「貼り混ぜ屏風」など約20点が並びます。
江戸時代の絵師伊藤若冲が最も得意とした鶏を墨で描いた六曲一双屏風「鶏百態図」の展示もあります。
「町政70周年を祝う華やかな展示。岩松院にまつわる作品から、小布施の歴史に刻まれた風景を想起してもらえたら」と同館。
開館は9時から17時。入館料は大人300円、高校生150円、中学生以下無料。
(問)同館☎︎247・4049
2024年11月30日号掲載