「北長池村の江戸時代」刊行
- 7月4日
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一橋大大学院研究室まとめる

北長池区に残る古文書(区有文書)などを基に、一橋大学大学院の渡辺尚志教授の研究室(当時)がまとめた書籍「北信濃の歴史をひもとく—北長池村の江戸時代」がこのほど刊行されました。同研究室が松代藩の治政研究の一環として用水関連の調査に同地区を訪れた際、当時の北長池村の生活が分かる資料も劣化がなく、良好な状態で残っていたことから調査を行い、同地区の歴史を3部構成で分かりやすくまとめました。
1部は、江戸時代の村の運営や農業用水の利用の仕組みなどを説明。2部では、現在の長野市街地を流れる善光寺平用水の一つ「八幡堰」を利用していた北長池村が流域の村と用水組合を結成して維持・管理や水争いを解決したことを紹介しています。中でも同村が組合の「世話役」として重要な役割を果たしていたとしています。
3部では、善光寺地震後の洪水で流れ着いた漂着物など、用水以外の話題をまとめています。巻末には、長年、同区で用水顧問を務めた故・赤沼満さんがまとめた「南八幡川用水幹線水路視察資料」を掲載しています。
同地区では、2012年から23年まで調査が実施され、約1200点の区有文書を調査。長期保存しやすい袋に入れ、デジタル化するなど整理を行い、同地区の住民が閲覧できるようにしました。編者の一人、金沢真嗣さんは同書で、「区長のほか、用水を担当する係が設けられ、文書を引き継いできたことが特徴で、下流にある同地区が用水の確保に多大な労力をかけてきたといえる」と述べています。
研究に協力した一人で元区長の春日山重行さん(77)は「教科書にはない、田舎の実生活や、民主的な組織があったことが分かる。古文書は大切に保存していきたい」と、感慨深く話しました。
北長池区と周辺の小中、高校のほか、県立・市立図書館、朝陽公民館などに寄贈しました。A5判、208ページ。3520円。
(問)岩田書院☎︎03・3326・3757
2026年7月4日号掲載


