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北信地域の版画家「3人展」

須坂版画美術館で開催中

ギャラリートークで展示作品について話す更級さん
「多様」な魅力発見して 

 北信地域を拠点に制作活動を続ける版画家の中村真美子さん、池田潤さん、更級真梨子さんの作品世界を紹介する3人展「多様」が須坂市野辺の須坂版画美術館で開かれています。

 長野市在住の中村さんは2003年から本格的に版画制作を始め、銅版画のドライポイントという技法で「雪の中の立ち枯れた草の風景」をモチーフにした作品を発表しています。今回は16年から今年までに手掛けた12点を展示。「風の譜6」は、雪原に立ち枯れたガマが黒いシルエットで美しく立ち上がります。インクで描いたシダなどの作品も並びます。

 池田さんは信濃町を拠点に活動。「そこに存在している『モノ』を目で見て把握していることの不思議さを表現したい」と、孔版画のシルクスクリーンで制作した15点を出品。中には、「ガラスのコップ」という、モノに名前がつくまでの時間の面白さを、何種類ものグラスの影を写し取ることで表現した作品もあります。

 更級さんは、長野市生まれで、昨年東京からUターンして作品制作を続ける木版画家。素朴で色彩豊かな作品30点が並びます。ギャラリートークで「日常のすごく身近なところからネタをもらって、にっこりできて、ほっこりできて、あったかいなと思ってもらえる作品づくりをしています」と話していました。

 「一口に版画といっても、版種もそこから生まれる表現も多種多様。それぞれの版画の魅力を再発見するとともに作品世界を楽しんで」と同館。

 9月24日(日)まで。9時から17時。水曜休館。入館料は一般500円。高校生以下と18歳未満無料。

 (問)同館☎︎248・6633


2023年7月22日号掲載

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