信濃町の伝統野菜4品種 もっと知って もっと育てて

町が本年度振興事業

左上=ぼたごしょう(信濃町提供)右上=黒姫もちもろこし(同)左下=からごしょう(同)右下=冬ささぎ(同)
18日 黒姫童話館で第1回イベント

 信濃町は本年度、「信濃町の伝統野菜を知って・育てて・触れて・学ぼう!」をテーマに「伝統野菜による地域振興事業」に取り組んでいる。6月18日(土)13時半から、黒姫童話館で第1回イベントを開催する。

 伝統野菜は、各地で古くから作られてきた在来品種。各地の気候風土に適応して特徴的な味や香り、形などを持ち、地域の食文化とも深く関わる。代々にわたって地域や農家に受け継がれてきたが、戦後の経済発展の中で、効率的に安定生産ができるような品種への改良が進んでいったことから、生産の主流は移行し、地域固有の品種は衰退の一途をたどる。

 一方、全国的に伝統野菜の存在意義を見直し復活させようという動きが活発化。県は各地に残る貴重な伝統野菜を次代につないでいこうと2006年に「信州伝統野菜認定制度」を創設。「来歴」「食文化」「品種特性」の3項目で一定の基準を満たしたものを「信州の伝統野菜」とし、これまでに約80種類を選定してきた。

自前の種から育てたぼたごしょうの苗を畑に植え付ける関塚さん

 信濃町ではトウガラシの「ぼたごしょう」と「からごしょう」、トウモロコシの「黒姫もちもろこし」、インゲンの「冬ささぎ」の4品種が認定を受けている。

 同町富濃地区でこれら伝統野菜全てを栽培する数少ない農家の関塚賢一郎さん(85)は「代々脈々と伝えられてきた大事な野菜で、自分にはどれも忘れられないふるさとの味」と、毎年それぞれの野菜の種を自家採取して守りつないでいる。ぼたごしょうとからごしょうは、同町の郷土食として食べ継がれている「やたら」や「こしょう漬け」には欠かせない食材でもある。「放っておけば廃れてしまう。信濃町の伝統の味として未来に守り伝えていってほしい」と願う。

 18日は、伝統野菜の種と苗の無料配布、町内で伝統野菜を育てる農家の人から栽培方法を学ぶ講習会があるほか、ドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」(2011年)の特別上映を行う。参加希望者は町産業観光課農林畜産係に電話で申し込む。

 9月に「伝統野菜を使った料理教室」、11月に「伝統野菜の種取り教室」を開催予定。町産業観光課の市川雅洋さん(29)は「この事業を通じて伝統野菜の認知度を高め、利活用の促進を図っていきたい」としている。

 (申)(問)同農林畜産係☎︎255・3113

記事・写真 中村英美


2022年6月11日号フロント