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「信州の顔完結編−」出版

伊勢宮の坂口清一さん 9冊目写真集

最新刊の写真集を手に、カメラマン人生を振り返る坂口さん
カメラマン人生の集大成と位置づけ

「人間像を記録」これまでに700人撮影

 伊勢宮の写真家坂口清一さん(87)は、60年にわたってライフワークとしてきた故郷の人物と、自然の両方を盛り込んだカメラマン人生の集大成と位置づけた9冊目の写真集「信州の顔完結編 昭和 平成 令和 過ぎて来た道」を自費出版した。

 坂口さんは、長野市の出身。20代の頃に出版社の撮影業務で県内各地の「祭り」を撮影したことをきっかけに写真家として本格的な活動を始める。祭りを撮る中で、そこに情熱を傾ける地域の人たちの表情に魅力を感じ、子どもから高齢の人たちまでレンズを向けるようになった。

 それを原点に1987年、信州にゆかりの著名人を撮影した写真集「信州の顔」を出版。その後も「信州の人」「信州の肖像」など人物シリーズ6冊を出した。これまで1000人余りにアプローチし、約700人を撮影。現場では「直感的にその人の内面的なものをくみ取り、ファインダーを通してより魅力的に人間像を記録しようと努力してきた」と振り返る。

9冊目の写真集「信州の顔完結編 昭和 平成 令和 過ぎて来た道」

 今回出版の写真集の前半「信州の顔」では、2017年ごろから撮影してきた、信州を舞台に各界で活躍する多彩な顔触れの37人を掲載。諏訪市の諏訪マタニティークリニック院長の根津八紘さん、下諏訪町の書家吉沢大淳さん、2020年まで2期8年にわたって中野市長を務めた池田茂さん、長野市のチェロ奏者小島遼子さんらをそれぞれ見開きで紹介した。

 後半の「昭和 平成 令和 過ぎて来た道」には、撮りためてきた四季折々の自然や、田植えなど自然と人との関わりのある風景写真のほか、深く印象に刻まれたという長野市出身の版画家池田満寿夫さんと坂口さんが一緒に写った写真なども載せた。

 3年ほど前に編集作業に取り掛かったものの、途中体調をこわした時期もあり、坂口さんは「自分ながらここまでよくやった」と喜ぶ。「飯山、志賀高原、白馬を再度訪ねたいが、体調と相談しながら元気なうちは身近にある自然の風景を撮り続けたい」と話した。

 写真集は、A4判、112ページ。7480円。

 (問)坂口☎︎226・5126

 記事・写真 中村英美


2023年3月4日号フロント

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