保護犬の現実 社会へ啓発

長野高2年の前沢さん

前沢さん(左)と、動画制作に協力した演劇班の宇梶葵さん。前沢さんが手にするカレンダーを20日にチャリティー販売する
悲しい思いをしている犬を救いたい

11月20日のイベントでチャリティーグッズ販売

 飼い主に捨てられたり、劣悪な環境で飼われたりして保護され、引き取る人が見つからないまま殺処分されるペットがいる。長野高校2年の前沢歩花(あゆか)さん(17)は「悲しい思いをしている犬を救いたい」と、こうした現実を多くの人に伝える活動に取り組んでいる。

 自身も犬を飼う前沢さんが保護犬問題に目を向けるきっかけになったのは、昨年、千匹近い犬を劣悪な環境で飼育し虐待していたとして、松本市の犬販売事業所が動物愛護法違反で摘発された事件。「かわいそうな犬がいる。とても切ない気持ちになった」。長野高では、2年生が個々のテーマを1年かけて探求する課題研究に取り組む。前沢さんは保護犬の問題をテーマに選び、調査を始めた。


作った啓発動画では、殺処分される犬の気持ちを伝え、「ペットをすてないでください/最後まで大切にしてください」 と呼び掛ける

 市内の保護団体「犬の心をつなぐWA ポチの会」に聞き取りを行った。病気の犬の医療費を含めた活動費が寄付金などで賄われていること、動物を大事にしない飼い主が減らない限り問題が解決しないことなどを学んだ。

 飼い主に捨てられ、殺処分される犬の気持ちを描いた絵本「ねえ、だれかおしえて」の企画者で、東京都で動物病院を経営する藤田弘一さんにも話を聞いた。全国で一日におよそ100匹のペットが殺処分されている現実を知った。

 高校生の自分にできることは何か—。考えた末、「ねえ、だれかおしえて」を動画にし、多くの人に見てもらおうと発想。藤田さんの許可を得て、所属する同高演劇班の仲間と朗読して約8分の動画を作った。動画サイト「ユーチューブ」で公開し、母校である南部小学校の校内放送でも流してもらった。

 さらに、保護犬の医療費にするためにチャリティーグッズを作って販売することに。犬の絵を描いて入れた卓上カレンダーとせっけんを作った。ポチの会が11月20日(日)に若里公園で開くイベント「ペットショップにいくまえに」で自ら売り、売り上げを会に寄付する。

 「多くの人に現実を知ってもらうことで、悲しい思いをする犬が減ると信じて頑張りたい」と前沢さん。本年度の課題研究が終わった後も活動を続けていくつもりだ。

 

「ペットショップにいくまえに」

 犬の保護や譲渡を行う「犬の心をつなぐWA ポチの会」が11月20日(日)10時から16時、若里公園で開催。会の活動紹介、保護犬の譲渡会、手作り雑貨や犬のおやつ、チャリティーグッズ、飲食などの販売、犬を飼いたい人からの相談など。活動に必要な犬用おむつやドッグフード、資金の提供も募る。

 (問)西條☎︎090・2675・3208


 記事・写真 竹内大介


2022年11月19日号フロント