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人とアートをつなぐ懸け橋として

県立美術館のアートコミュニケータ事業 第1期生の卒業制作展

真=AC卒展に出品するコラージュ作品の制作をするAC1期生ら

 県立美術館が新装オープンとともに新たに導入したアートコミュニケータ(AC)事業の第1期生が今月3年間の任期を満了し卒業する。3月1日(金)から4日(月)まで卒業制作展「AC卒展」が開かれる。同展実行委員会は「個性豊かなアートコミュニケータが、それぞれの得意を生かして活動してきた集大成の展示を楽しんでほしい」としている。

 ACは、「アート」と「コミュニケーション」の造語。2021年4月、さまざまな価値観を持つ多様な人々を結びつける「出会いと学びの場」へと生まれ変わった同美術館は、ACを「県立美術館を拠点に、アートから生まれるコミュニケーションを大切にしながら、人とアートのつなぎ手として自発的に活動していく存在」と位置づけ、開館前年の20年秋にメンバーを公募。17歳から71歳まで男女36人が採用された。メンバーは、全6回の講座を終え、美術館の開館と同時に本格的に活動をスタートさせた。

 コロナ禍で身動きがとれない時期を経ながらも、美術館でのイベントやワークショップのスタッフとして、作家や子どもたち、美術館スタッフと共に人とアートが出合う場をつくったのをはじめ、障害のある人への来館サポートや企画づくり、美術館を拠点にした作品鑑賞イベントやワークショップなどオリジナルの企画を立てて実施。展覧会や美術についての勉強会を開くなどの活動を行ってきた。

 AC卒業を控えた花崎佳代子さん(69)は「世代も職業も違う、美術が好きで個性的な人たちとの活動が心地よかった」。絵を通して人とつながりたいと参加した横川七海さん(29)は「美術を面白いと感じてもらえる機会を提供できたと実感できたことがうれしかった」。小山勝宏さん(62)は「さまざまな人たちとの交流で自分の視点が広がる経験ができた」とそれぞれ活動を振り返った。

 同美術館学芸専門員の山下樹里さん(42)は「わがことのように美術館のことを考えてくれる人がいることが心強かった。活動が終わっても、人とアートをつなぐ懸け橋のような存在として活躍してほしい」と期待する。

 会場では、3年間の活動をパネルや写真、制作物で紹介するほか、大型オブジェのグループ作品や触れて楽しめる個人作品なども併せて展示する。3日(日)10時から15時は、本館1階交流スペースで、段ボールで額縁を、コラージュでブックカバーを作る—など、任期中に企画、実施した四つのワークショップを開催。いずれも参加費は無料。

 会場は県立美術館本館地下1階しなのギャラリー。観覧料は無料。開館時間は9時から17時。

 (問)同美術館☎︎050・5542・8600

 記事・写真 中村英美


2024年2月24日フロント


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