戸隠森林植物園ボランティアの会

自然観察会開催 リーフレット作成
標高1200メートルにある戸隠森林植物園で5月3日から今シーズンの自然観察会が始まった。企画、ガイドを務めるのは、「戸隠森林植物園ボランティアの会」。3日は、長野地域を中心に東京などからの観光客ら13人が参加。ガイド当番の水上則男会長(82)は、ウグイスなど野鳥のさえずりを聴きながら約2時間、園内に巡らされた遊歩道約3キロを参加者と歩き、春の自然を満喫した。
植物園は1968年に開園。71ヘクタールの園内には、開園時の森林構成を生かした散策路が設けられ、自然林やカラマツ林、杉林、ミズバショウが群生する湿地帯、みどりが池など多様な自然環境が広がる。
ボランティアの会は98年、この豊かな自然を守りながら利用促進することを目的に発足。現在は20代から90代まで男女15人が活動する。毎年5月から10月末の日曜、大型連休とお盆休みに自然観察会を開くほか、春と秋にバードウオッチング、7月に蛍観察会、3月に雪上観察会などを開催。国有林「戸隠ふれあいの森」への植樹と下草刈りなどの整備も行う。今年は初めて、園内で見られる主な植物70種類と野鳥36種類の見頃情報をまとめた手のひらサイズのリーフレットを作成。参加者の観察に役立ててもらう計画だ。
雪解けが例年より20日以上早かったという今年の戸隠高原は、春の草木の見頃も2週間ほど早い。一行は戸隠の名を冠したトガクシソウの観察を皮切りに、見頃のアズマイチゲ、キクザキイチゲ、ミズバショウ、リュウキンカなどの山野草やオオカメノキやトウヒ、ブナなど木々を観察。途中の小さな池ではクロサンショウウオの卵のうやヤマアカガエルのオタマジャクシを、「小川の小径」ではゴジュウカラ、ミソサザイなど野鳥観察をした。ここの魅力を「多様な環境が小さな所にコンパクトに詰まっている。四季の変化が大きく、自然の表情が時々刻々変わっていく」と水上さん。「ただ歩くだけでも楽しい場所。自然に興味を持って驚いたり発見したり、植物や命の不思議を五感で感じてもらえたらいい」と話す。
自然観察会は10月までの日曜と8月14日(月)、15日(火)の各日10時から12時。参加希望者は当日10時に園内の八十二森のまなびや前に集合。参加費は大人500円、小中学生300円。5月27日(土)8時から11時はバードウオッチングを開催。
同会は共に活動するメンバーを随時募集中。
(問)同会☎︎080・5141・9924
記事・写真 中村英美
2023年5月20日号フロント