人口減少社会と長野県の将来を討論
他者の意見参考に未来像共有
人口減少の進む長野県の将来について、若者が自由に討論するイベント「ワタシと長野の未来を描こう!」がこのほど、新田町のもんぜんぷら座で行われた。県長野地域振興局の主催。10代、20代を中心に13人が参加し、30年後の長野について語り合い、黒板を使って文章やイラストで表現し、意見を交わした。
まず同振興局が、長野県の人口推移の予想について説明。県の人口は2001年の約222万人をピークに、24年2月、200万人を下回った。このまま推移すると、50年には人口が159万人になり、2100年には76万人にまで減少するという。また、2000年と2050年の生産年齢人口(15歳〜64歳の人口)を比べると140万人から78万人に減少する一方、高齢人口(65歳以上の人口)は48万人から66万人に増加し、総人口の4割を超える見通しだという。
人口推移の予想を踏まえて、参加者それぞれが思う「ワタシと長野の未来」を発表。オンデマンドバスや自動運転バスなど「公共交通網を充実させ、利用しやすくなってほしい」「保育園や公園が子どもたちでにぎわうようであってほしい」など、人口減少社会にあっても、生活の質を落とさず、充実した日常生活を送れるような社会環境の整備を求めた。
続いて、参加者に長野県の現在の魅力を書き出してもらった。「たくさんの星やホタルが見える」「四季がはっきりしていて、空気がきれい」など、自然環境を挙げる人が目立った。一方、「近所の人から野菜をもらってうれしかった」「横断歩道で一時停止する車が(全国的にみても)多い」など、県外出身者の目で捉えた意見もあった。
同振興局の坪井俊文局長(58)は、「(未来の長野県の姿を)参加者は明るく、楽しく書いてくれた。今回出された内容は、行政において共有していければいい」と話していた。
記事・写真 広石健悟
2024年8月3日号フロント
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