ミツバチの寒さ対策

胸の筋肉を振るわせ 発熱して体温上げる

 一年で最も冷え込むこの時期、寒さに耐えるのは人間だけではありません。体温が気温に左右される変温動物の昆虫は驚くような寒さ対策を行っています。

 たとえばミツバチは、冬眠せず、冬も巣箱の中で過ごします。外は厳しい寒さですが、巣箱の中の温度は夏とほとんど変わりません。なぜでしょう。

 それは胸の筋肉を振るわせることで、発熱して体温を上げているからです。さらに、集団で身を寄せ合い、熱を逃がさないようにすることで、巣の中の温度は冬でも30度以上を保っています。この時に消費するエネルギーは、集めた蜂蜜で補っているようです。

 「発熱」は冬以外にも使われます。天敵のオオスズメバチに襲われたときです。数百匹の働き蜂がオオスズメバチを取り囲み、発熱して殺すのです。その名も「熱殺蜂球」。オオスズメバチの致死温度とされる45度を超えるというから、驚きです。

 このような特殊能力をもたない人間は知識と工夫で備えるしかありません。

 冬の典型的な天気図が、日本列島の西に高気圧、東に低気圧があり、等圧線の間隔が狭くなる「西高東低の冬型の気圧配置」です。

 西の高気圧がしっかり張り出すのを「押しの冬型」、逆に東の低気圧が発達するのを「引きの冬型」といいます。

 どちらも寒気が強いと大雪になり、加えて「押しの冬型」の場合は、厳しい寒さが長引きます。「引きの冬型」は一時的なものですが、一気に大雪になったり、急激に寒くなったりします。冬型の気圧配置を見たときは、「押し」か「引き」か確認することで、寒さが続くか予想できるかもしれません。

気象予報士・防災士


2022年1月29日号掲載