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マッドマックス:フュリオサ

=2時間28分

長野グランドシネマズ(☎︎050・6875・0139)で公開中

フュリオサの若き日 怒りの「原点」明らかに

 米アカデミー賞で最多10部門ノミネート、6部門を受賞した「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(2015年)。同作に登場した女戦士フュリオサの若き日を描いた「マッドマックス:フュリオサ」では、フュリオサの怒りの「原点」が明らかとなる。

 核戦争で世界が崩壊してから45年。生き残った人間たちはそれぞれのコミューンを築き、わずかな資源を奪い合っていた。緑の地で育った少女フュリオサは、バイカー軍団を率いるディメンタス将軍(クリス・ヘムズワース)に連れ去られ、娘を助けようとした母親は殺されてしまう。

 暴力と略奪を繰り返し、石油基地を手中に収めたディメンタスが次に狙いを定めたのは、どくろの面を着けた首領イモータン・ジョーが君臨する鉄壁の要塞、シタデルだった。

 ディメンタスから逃れシタデルに潜り込んだフュリオサ(アニャ・テイラー=ジョイ)は、女であることを隠し、メカニック整備工として働き、戦うスキルを身に付けてゆく。

 10歳で故郷と母親を失い残酷な運命に翻弄されながらも、復讐のために何度も立ち上がる気丈なフュリオサ。怒りのよろいをまとった姿のりりしさと存在感。眼光鋭いアニャ・テイラー=ジョイ扮するフュリオサと、前作のシャーリーズ・セロンのフュリオサの雄姿がピタリと重なる。

 アクションの痛快さと迫力は満点。白塗りの武装集団ウォーボーイズのアクション、スピード感あふれるカーチェイス。巨大な戦闘車ウォータンクがぶつかり合う。半端ない爆音に胸が熱くなる。

 監督と脚本は、メル・ギブソン主演の第1作(1979年)から手掛けるジョージ・ミラー監督。環境汚染と砂漠化した近未来の世界で、権力を誇示する独裁者の下で人々は疲弊してゆく。

 エンドロールに映し出されるのは、イモータン・ジョーの下で大隊長に上り詰めながら反旗を翻したフュリオサの姿。女性を主役に置いたことで、アクション映画としてだけでなく、よりエモーショナルなドラマとなった。

 日本映画ペンクラブ会員、ライター


2024年6月1日号掲載

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