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ブルックリンでオペラを

=1時間42分

長野ロキシー(☎︎232・3016)で5月31日(金)から公開

(C)2023. AI Film Entertainment LLC. All Rights Reserved.

ラブストーリーと 人生の機微軽やかに

 アートとカルチャーの最先端の街、ニューヨークのブルックリンで一見幸せそうに暮らす夫婦に訪れた「想定外」の出会いが2人の人生を大きく変えていく—。「ブルックリンでオペラを」は、人生の機微をラブストーリーとともに軽やかに描いた話題作だ。

 人気精神科医のパトリシア(アン・ハサウェイ)と、現代オペラの作曲家スティーブン(ピーター・ディンクレイジ)はブルックリンに住むセレブな夫婦。長いスランプに陥ったスティーブンは新作オペラを依頼されるが、作曲のアイデアが浮かばず落ち込むばかり。そんなある日、たまたま立ち寄ったバーで出会った風変わりな女性、カトリーナ(マリサ・トメイ)の不思議な魅力にひかれベッドを共に…。すると、天啓のように音楽があふれ出てくるのだった。

 なんともユニークなアイデアで生み出されたオペラの斬新さ。メロディーが浮かび上がる瞬間は感動的だ。高尚で古典的なオペラではなく、人間心理を捉えたドラマチックな世界に目を奪われる。一流のオペラ歌手によって歌い上げられるオペラの数々をスクリーンで堪能するぜいたくさ。劇中のオリジナルオペラを作曲したのはロックからクラシック、現代音楽まで手掛け、グラミー賞を受賞しているブライス・デスナー。さらにブルース・スプリングスティーンが主題歌を歌い、物語に深い余韻を残している。

 米国を代表する劇作家アーサー・ミラーを父に持つ、小説家で、ロマンチックコメディーの名匠レベッカ・ミラー監督が、自身の短編小説を基にした映画で脚本も手掛けた。ミラー監督がニューヨークの観光名所に留まらず、父親が住んでいた高級住宅地のブルックリン・ハイツやオペラシアターのユナイテッド・パレスなど、地元ならではの目線で選んだ歴史的建造物でロケが行われているのも見どころだ。

 「レ・ミゼラブル」(2012年)でアカデミー賞を受賞したアン・ハサウェイが、ミラー監督の脚本にほれ込みプロデューサーも務めている。同じくオスカー女優の演技派マリサ・トメイらの熟練女優との演技が熱い。濃厚な大人の時間を味わえる一本だ。

 日本映画ペンクラブ会員、ライター


2024年5月18日号掲載

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