バッドガイズ

=1時間41分

長野グランドシネマズ(☎︎233・3415)で10月7日(金)から公開。

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大泥棒5人組の前に 隠された巨大な陰謀

 天才的すりのミスター・ウルフをリーダーに、金庫破りのスネーク、肉体派のピラニア、変装の達人シャーク、天才ハッカーのタランチュラ。動物を擬人化したアニメキャラクターの大泥棒5人組が繰り広げる「バッドガイズ」は、人気児童文学シリーズを基に映画化した痛快クライム(犯罪)・コメディーだ。

 権力者や大富豪から抜群のチームワークで盗みを成功させてきた「バッドガイズ」の次なる標的は、盗み出すのは不可能とされてきた伝説のお宝「黄金のイルカ」。だが狙って潜り込んだパーティーで、思いもよらぬ事態に陥り全員逮捕されてしまう。町の名士マーマレード教授の提案で、悪者からグッドガイズに変身させる更生プログラムを受けることになるが、その裏には巨大な陰謀が隠されていた。

 物語の舞台は人間と動物が共存する世界。メインのキャラクターとして擬人化されたのは、狼にキツネ、ヘビ、サメ、ピラニア、毒グモなど、それぞれが悪役にふさわしい動物たちだ。本来持っている怖くて狡猾(こうかつ)なイメージを生かした設定なのだが、友情や正義、善と悪に悩んだりする姿が次第に人間らしく見えてくるから不思議だ。

 日本やヨーロッパのアニメからもインスピレーションを得たというピエール・ペリフェル監督は、ドリームワークスでアニメーターを務めた経験を生かし、原作を進化させたキャラクターデザインを完成させた。ウルフの自信満々でちょい悪なところはまるでルパン三世のようで憎めない。鮮やかな手並みで盗み出す窃盗団といえばスティーブン・ソダーバーグ監督の「オーシャンズ」。さらにクエンティン・タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」などの犯罪映画に、オマージュを捧げたシーンやせりふが登場し思わずニヤリとしてしまう。

 スピード感あふれる展開と、のりのりの音楽のセンスの良さ。完成まで6年の歳月をかけた映像のクオリティーの高さに驚かされる。子どもだけでなく大人も楽しめるクール度満点アニメだ。

日本映画ペンクラブ会員、ライター


2022年9月24日号掲載