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ダイヤモンド 私たちの衣装工房

  • 7月11日
  • 読了時間: 2分

=2時間15分

長野ロキシー(☎︎232・3016)で7月24日(金)から公開

(c)2024 Greenboo Production - Faros Film - Vision Distribution

仕事に向き合う女性 一人一人が放つ輝き

 イタリア映画「ダイヤモンド 私たちの衣装工房」は、映画や舞台衣装を手掛ける工房で働く女性たちの人生を情感豊かに描いた人間ドラマ。220万人を動員した2024年イタリア映画最大のヒット作で、同国映画の最高の賞とされるダビッド・ディ・ドナテッロ賞観客賞を受賞した。


 1970年代のローマ。カノーヴァ姉妹が経営する衣装工房に、アカデミー賞の受賞歴のある衣装デザイナーから仕事の依頼が舞い込む。姉のアルベルタは仕事一筋で、チャンスとばかりすべての衣装制作を引き受けるが、気難しい映画監督との交渉もあり工房の忙しさは日々増してゆく。妹のガブリエッラや工房の女性たちは、それぞれに悩みを抱えながらも己のプライドをかけて仕事に向き合う。


 フェルザン・オズペテク監督が助監督時代に出会った衣装デザイナーや俳優たちとの思い出、工房で働く女性たちのクオリティーの高さを目にした感動からこの作品が生まれた。しかも監督のこれまでの作品に出演した女優たちがキャスティングされ一堂に会している。一人一人が放つ輝きがダイヤモンドだ—とオズペテク監督は語る。


 ユニークなのが、二重構造から生まれる時代の違いだ。新作を撮る監督の下に集められた女優たちが脚本に目を通し自分の役に入り込む。いつしか観客も物語の世界に引き込まれてゆく。現代の女優たちと物語の70年代の女性たちのファッションの違いが、衣装が映画に果たす役割を見事に表現している。


 身近な素材を縫製に取り入れる斬新な発想から作り出される衣装は芸術作品そのもの。お針子たちの丁寧な仕事はまさに職人技で、ため息が出る。


 衣装のマネキンが所狭しと置かれ、小さなボタンは宝石の輝きを放つ。さりげない小物や小道具など場面の隅々まで気配りされた映像はぜいたくの極みだ。


 オズペテク監督が天才と絶賛する衣装デザイナーのステファノ・チャミッティはミラノ・コルティナ冬季オリンピックの開会式衣装を手掛けただけでなく、映画に重要な衣装として登場する赤いドレスが、昨年の大阪・関西万博のイタリア館で展示されたことも話題の一つ。まさに眼福の一本だ。

 

(日本映画ペンクラブ会員、ライター)



2026年7月11日号掲載

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