「シニア演劇アカデミー」経験者有志 初の朗読劇に挑戦

29日に市芸術館の舞台で公演

Nサバイバルシアター設立準備委員会の本藤俊彦さん(前列右端)、中村美技子さん(同右から2人目)ほかメンバー。シニアになって演じる楽しさに目覚めた
演じる楽しさに目覚め新演劇集団

 長野市芸術館が企画し、毎年期間限定で参加者を募って活動している「シニア演劇アカデミー」の1期生、2期生の有志らが、継続的に演劇を続けていこうと、演劇集団「Nサバイバルシアター」設立準備委員会をつくり、10月29日(土)に市芸術館で行われる「オープンハウスDAY‐1」(主催・市文化芸術振興財団)で初の朗読劇に挑戦する。

 「シニア演劇アカデミー」は2019年に始まり、今年4期目。募集年齢は60歳以上とし、参加者は、俳優の西村まさ彦さんのプロデュースと、西村さんほかプロの演出家の指導の下、稽古を重ね、市芸術館のステージで発表公演を行ってきた。

 第2期公演後の昨年2月、「このまま、ただ終わるのはもったいない、自分たちで演劇を続ける方法はないか」と話し合い、1期生、2期生の有志らが演劇集団「Nサバイバルシアター」の設立準備委員会を立ち上げた。メンバー13人は、西村さんのアドバイスを受けて、これまでラジオドラマの制作活動をしてきた。

 今年8月、市芸術館の練習施設を利用する団体に同館を発表の場として提供する企画「オープンハウス」への出演が決まってからは朗読劇の稽古に集中している。


本番に向けて朗読劇の稽古をするメンバー

 作品は、同グループメンバーの中村美技子(みきこ)さん(74)=三輪=作の「ミヨさんと」。中村さんが、3年ほど前に書いたエッセーを脚色した。

 97歳の実母(ミヨさん)を介護する日常を描いた約10分間のストーリーだ。ベッドから母を抱き起こしてトイレに連れていくときのつらさ、2分おきに同じことを聞かれるいら立ちなど、リアルな描写は実体験ならでは。中村さんは「遠慮がないのでけんかもしますが、何年かたって読み返し、『お母さんとこんなことをしていたな』と思い出して心が温かくなるのではないかな。同じように親の介護で闘う世代を応援したい気持ち」と話す。

 週1回ほど、出演するメンバー(男性3人、女性4人)らが集まって行う稽古では、「ミヨさんに優しく話しかけるにはどうしたらいい」「言い方によっては子ども扱いしているように聞こえてしまう」と、一つ一つのせりふに対してお互いの率直な意見が飛び交う。

 「演劇は奥が深い。頭で考えたように表現できなくて苦しさもあるが、みんなでつくり上げていく演劇の面白さを知るメンバーたちと活動を続けたい」と設立準備委員会の本藤俊彦会長(67)=屋島。

 今後は、3期生、4期生らも含めてメンバーを募集し、「Nサバイバルシアター」の活動を軌道に乗せていきたいという。

記事・写真 松井明子


 

長野市芸術館オープンハウスDAY-1

長野市芸術館3階アクトスペースで、10月29日(土)14時から。

 Nサバイバルシアター設立準備委員会のほか、6団体が参加。入場無料、全席自由。

 (問)長野市芸術館☎︎219・3100


2022年10月15日号フロント