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ゴールデンカムイ

=2時間8分

長野グランドシネマズ(☎︎233・3415)で公開中

(C)野田サトル/集英社

(C)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

埋蔵金を探し求めて サバイバル争奪戦

 明治時代末期の北海道を舞台に、莫大なアイヌの埋蔵金を探し求めて広大な大地で繰り広げられるサバイバル争奪戦。「ゴールデンカムイ」は、「マンガ大賞2016」を受賞した漫画家野田サトルさんの同名作を基に実写化した映画だ。

 日露戦争生き残りの元陸軍兵、杉元佐一(山崎賢人)は、山奥で偶然出会った男から、アイヌから強奪された埋蔵金の金塊の存在を知り、金塊探しの旅に出る。野生のヒグマに襲われた杉元を救ったのは、アイヌの娘アシリパ(山田杏奈)だった。

 金塊が原因で殺された父親の復讐のために杉元と共に旅立つが、同じく埋蔵金を狙う敵が立ちはだかる。北海道征服を狙う大日本帝国陸軍中尉、鶴見(玉木宏)だ。そして戊辰戦争で亡くなったとされていた新撰組の副長、土方歳三(舘ひろし)は蝦夷共和国の再興をもくろんでいた。

 物語は日露戦争の激戦地である中国・旅順二〇三高地の戦いのシーンから始まる。鬼神のごとく敵を倒し「不死身の杉元」と恐れられる傷だらけの男に対し、アシリパは一歩も引かない。りりしいマタギの娘は、弓の名手であるだけでなく、自然を生き抜く知恵と豊富な知識の持ち主だ。

 映画化の条件とされた原作への忠実さは、アイヌ文化の描き方に見事に再現されている。撮影のために建てられたコタン(集落)に暮らすアイヌの人々の生活ぶり。言葉や風習、衣装。料理では狩猟で得た獲物の命に感謝していただくという畏敬の念。現代人が忘れていた礼節に気づかされる。和人である杉元とアシリパの文化の擦れ違いがコミカルだ。

 宝探しのミステリーが実に面白い。網走の監獄から脱獄した囚人24人の体に彫られた入れ墨に金塊の隠し場所が彫られており、全員がそろわないと金塊の在りかは分からない。

 コミックのキャラクターだけでなく歴史上の人物も入り乱れての争奪戦。あらためて明治という激動の時代が興味深い。

 雄大な自然を求めて北海道だけでなく、信州の八ケ岳や佐久地方でもロケが行われた。スケールの大きい描写と、歴史を巧みに取り入れたサバイバル・エンターテインメントだ。

 日本映画ペンクラブ会員、ライター


2024年01月27日号掲載

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