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コヴェナント 約束の救出

=2時間3分

長野グランドシネマズ(☎︎050・6875・0139)で2月23日(金)から公開

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戦地で命守り合った 米兵とアフガン人通訳

 2001年9月11日の米国中枢同時テロを受け、米軍は、事件の首謀者をかくまっているとしてアフガニスタンを攻撃し、駐留を開始した。「コヴェナント 約束の救出」は、イスラム原理主義組織タリバンが支配するアフガニスタンの戦地を舞台に、米軍兵士と現地通訳との勇気と固い絆を描いた社会派ヒューマンサスペンスだ。

 2018年、米軍のジョン・キンリー曹長(ジェイク・ギレンホール)は、タリバンの武器や爆発物の隠し場所を捜索する危険な任務についていた。アフガン人通訳が爆発に巻き込まれ死亡し、新たに通訳として雇ったアーメッド(ダール・サリム)は、鋭い観察眼と冷静な判断力を持つ優秀な通訳だった。爆発物製造工場の捜査に向かった部隊が、タリバンの急襲で壊滅状態にある中、かろうじて生き延びたジョンとアーメッドは、敵陣の中を100キロも先にある基地に徒歩で向かうのだった。

 米軍に協力した報酬として通訳には移住ビザが約束されていたが、タリバンからは同胞への裏切り行為として命を狙われた。小さな村の隅々まで目を光らせるタリバンの執拗な追撃をかわしながら、厳しい山道を行く緊迫感が半端ない。

 タイトルの「コヴェナント」とは約束という意味だが、聖書では神との契約という意味も持つそうだ。互いに命を守りあったジョンとアーメッドの2人がどう約束を果たすのか。恩義だけでない人間同士の強い絆が感動的だ。

 「シャーロックホームズ」シリーズなど、エンターテインメント作品でヒットを飛ばすガイ・リッチー監督。アフガン問題とアフガン人通訳者についてのドキュメンタリーを見て、過酷な戦争の中で生まれる人情に心を動かされ、製作と共同脚本も手掛けた。実際に起きた事実を積み重ねて、リアルなストーリーが生まれた。

 この物語の3年後、米軍は20年にもわたって駐留したアフガニスタンから撤退した。最後の米軍輸送機には離陸直前まで飛び乗ろうと多くの現地の人々が群がり、振り落とされた。その中には米軍を支援してきたアフガン人もいたという。そのニュース映像の衝撃と戦争の冷酷な現実に、怒りにも似た感情が湧いた記憶がよみがえる。

 日本映画ペンクラブ会員、ライター


2024年02月17日号掲載

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