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ウォンカとチョコレート工場のはじまり

=1時間57分

長野グランドシネマズ(☎︎233・3415)で公開中

(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

主人公の作るチョコ 一口で幸せな気分に

 ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演の映画「チャーリーとチョコレート工場」(2005年)の基となったのが、英国の名作児童小説「チョコレート工場の秘密」(ロアルド・ダール著)。「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」は、主人公ウィリー・ウォンカの若き日の物語だ。

 究極の味を求めて世界を旅したウィリー・ウォンカ(ティモシー・シャラメ)の作るチョコレートは、一口で幸せな気分になれる不思議な魔法のチョコ。「世界一のチョコレート店をつくる」という幼い頃からの母親との約束をかなえるため、一流のチョコレート職人たちが集まる町にやってきたものの、一躍人気者になったウォンカの才能を妬(ねた)んだチョコレート組合の妨害が始まる。しかもがめつい宿屋の女主人(オリビア・コールマン)にだまされて、多額の借金を返済するため地下のランドリー工場で30年間働く羽目になってしまう。

 「君の名前で僕を呼んで」(2017年)の憂いを帯びた美青年ぶりで注目を集めたティモシー・シャラメが、ピュアなまなざしはそのままに、チョコレートへの情熱で周りの人々を魅了してゆくウォンカを熱演。演技だけでなく見事な歌声とダンスを披露しているのが見どころだ。

 脇を固めている俳優たちの顔ぶれがすごい。米アカデミー賞を受賞したオリビア・コールマンやサリー・ホーキンスの女優陣をはじめ、「Mr・ ビーン」で知られるコメディアンのローワン・アトキンソン。さらに特異なキャラクター、ウンパルンパを演じるのは、名優ヒュー・グラント。ウォンカを付け回すオレンジ色の小さな紳士を怪演している。日本語吹き替え版では松平健が担当しているのも話題の一つだ。

 イギリスの人気熊「パディントン」シリーズのポール・キング監督が原作を基にオリジナルの脚本も手掛けている。「ハリー・ポッター」シリーズのプロデューサーが製作しているだけに、フライングシーンなど、ウォンカの夢のようなカラフルな魔法の世界を再現している。

 まるでウォンカのチョコレートを食べたような幸せな気持ちになれる、ミュージカル・ファンタジーだ。

日本映画ペンクラブ会員、ライター


2023年12月9日号掲載

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