top of page

アートを介して人生を楽しむ場所に

千曲市土口にアートギャラリー開設 上沢かおりさん

空き家になっていた実家をアートギャラリーにしようと思った経緯と夢を話す上沢さん
実家をリノベーション

 千曲川右岸を走る国道403号から南に200メートルほど入った千曲市土口、古大穴神社の前。空き家になっていた実家をリノベーションし、3月、アートギャラリー「art cocoon(アートコクーン)みらい」を開いた上沢かおりさん(63)は、「アートを介して人生を楽しむ豊かなコミュニケーションを生み出せる場所にしたい」と考えている。

 昨年8月、東京から45年ぶりにUターンした。屋代高校から東京外語大へ。同大卒業後、東京の編集プロダクション勤務を経て、独学で近現代美術について学び、1995年、世田谷区に若手現代美術家の発掘、紹介、活動のプロデュースを手掛ける事務所兼ギャラリー「art cocoon」を設立し、2006年まで運営。その後、大手出版社の教育系雑誌の編集に携わりながらプロデュース活動も続けてきた。

 新設のギャラリーは広さ16平方メートルで、天井高は3.5メートル。母屋では小規模な音楽コンサートやワークショップも開けるように居間や客間を整備するとともに作家に土地を感じながら一定期間滞在して制作をしてもらう客間も設けた。

 ギャラリーオープンから10日間で来場者は100人余り。上沢さんは、地域の活性化とあわせて「全く意図していなかったけれど、空き家や人生100年時代に60歳を超えてどう生きるかなどいくつかのテーマもクロスしたことを実感した」という。

 ギャラリーでは年間6本から8本の企画展の開催を計画する。現代アートの魅力を「今一言でいえば常識や意識の枠を超えさせてくれる自由さと爽快さ」と話す上沢さん。「若い人に今の表現を見せたい」と強く願っている。

 記事・写真 中村英美

 
art cocoon みらい

 ▽オープン記念展第2弾 「斉藤裕之展 平熱日記 in 千曲」

 4月15日(土)〜5月1日(月)。13時〜19時。火・水曜休み。

 15日15時からオープニングアーティストトーク。事前予約は不要。定員20人。入場無料

 ▽同第3弾「神 貴尋展 亜神の森」

 5月6日(土)〜21日(日)。13時〜19時。火・水曜休み。入場無料。

 6日と21日の15時から「神貴尋(二胡・ケーナ等)&芳賀信顕(ピアノ) DUO LIVE」を開催。各回3000円で定員20人。参加希望者は予約が必要。

 (申)(問)上沢☎︎026・405・6949


2023年4月15日号フロント

bottom of page