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アジアリーグに注目してほしい

プロのアイスホッケー選手 運上雄基さん

小中学生時代、練習に通った長野市のビッグハットで、抱負を語る運上選手

 日本、韓国のアイスホッケーのプロクラブチームが繰り広げる「アジアリーグ」戦に、長野市出身の運上雄基さん(25)=横浜市=が「横浜グリッツ」のフォワードとして参戦している。リンク上で激しくぶつかり合い、「氷上の格闘技」ともいわれるアイスホッケー。持ち前のスピードと、体の大きな選手にも当たり負けしないフィジカルの強さで存在感を示している。

 父はアイスホッケーの日本リーグで選手としても指導者としても活躍した運上一美さん。母は元フィギアスケーター。小学1年生でアイスホッケーを始め、長野日大中学では市内の中学校との合同チームで全国大会に出場し、活躍した。

 将来を嘱望されるが、「父の存在が大き過ぎて重圧」に感じ、アイスホッケーが嫌いになったことも。高校は「親元から逃げるように」アイスホッケーの強豪・埼玉栄高校に進んだ。1年から筋力トレーニングに励み、半年で体重が15キロ増え、脚力もついた。屈強な体を武器に頭角を現し、主将を務めた3年生でインターハイ8強、国体の埼玉県選抜にも選ばれた。「監督の下、優秀な選手の中でもまれて成長した」と振り返る。

 慶応大学では主力として臨んだ2年生の時、憧れの早慶戦で42年ぶりの勝利に貢献。「大学4年間で燃え尽きる」覚悟で打ち込んだが、副将になった4年生でコロナ禍に見舞われ、不完全燃焼の悔しさが残った。小売の大手企業に就職後も、「もう一度挑戦したい」との思いは消えず、休日には練習のために勤務地の茨城県から3時間かけて東京に通った。

 伊藤忠商事のチームに所属し、社会人リーグの試合に出ながら、一人でトレーニングをする日々を1年間過ごした。そんな時に大学ОBの縁で、建物管理などの日本管材(東京)に転職、仕事をしながら横浜グリッツの練習生に。体を張ったガッツあふれるプレーが評価され、22年12月に正式契約、3週間後にはリンクに立った。プロデビュー戦は「緊張でよく覚えていない」。その後の試合ではスピードと体の強さを生かした突破力に磨きをかけて、チームを支えた。

 午前中にグリッツの練習に参加してから出社、インターンシップや会社説明会の開催、大学訪問など人事部の仕事をこなす。「社会人として働きながら、大好きなアイスホッケーができる環境が合っている。トップアスリートの期間は限られるが、あと10年は突っ走りたい」と意気込む。

 父親の応援や助言もうれしいと思えるようになった。高校や大学、かつての勤め先から多くの友人・知人が試合観戦に訪れ、SNSにメッセージを寄せてくれる。人気テレビ番組の「SASUKE」の本選出場の際にもたくさんの応援があった。「本当に周りの人に恵まれている」と感謝する。「長野県出身者も活躍するアジアリーグに注目してほしい。みなさんの応援を力にプレーで頑張り、アイスホッケーをメジャースポーツにしたい」と新年に誓った。

 記事・写真 斉藤茂明


掲載日2024年1月13日


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