top of page

みらいネットオンライン保育園

開始から2カ月 画面越しに交流・相談

保育士と一緒にこいのぼりを作った5月の製作遊びの様子(みらいネットオンライン保育園提供)

 核家族化や新型コロナなどの影響で地域とのつながりが薄れ、孤立や不安を感じる妊婦や保護者の力になれれば—。北信地域で保育園を運営する一般社団法人「信州子育てみらいネット」代表理事の山岸裕始さん(43)の発案で、同法人が準備を進めてきた「みらいネットオンライン保育園」が、今年5月にスタートした。

 コロナ禍の2021年から同法人が配信するユーチューブチャンネル「子育てポケット」に保護者から寄せられた「同じ境遇のお母さん同士が交流したり、専門家への相談ができたり、双方向でつながる場がほしい」という声にも後押しされた。

 オンライン保育園は、妊娠中から保育園や幼稚園に入園する前の乳幼児を持つ親子を対象に、平日は同法人が運営する「みらいく」の八つの保育園から「朝の会」と「帰りの会」の様子を交替で生配信。子どもの昼寝時間に合わせて保育の現場に携わる保育士や看護師、言語聴覚士、栄養士ら専門家が保護者の子育ての悩みを取り上げて対談形式で生配信し、保護者の質問に答える時間も。また月に1回、季節の行事に合わせた製作キットを自宅に届け、保育士と一緒に作れる製作遊びや、保護者同士が参加してさまざまな話題で気軽に交流できるオンライン座談会の時間を設ける。

 スタートから約2カ月。地元からの参加を想定していたというが、実際には首都圏を中心に、県内では長野市や中野市から計10組の親子が参加する。

 2歳の子がいる山岸朱音さん(長野市)は、座談会に参加して「ママ友が増えたような感じでほっこりとした話ができた」と笑顔。1歳の子を持つ、小平早果さん(中野市)は、「誰かと悩みを共有したり、話したり、子どもも朝の会の活動をじっと見て、画面越しにでも一緒に楽しめている」と喜ぶ。

 開設準備から事業の運営に携わる保育士の高田やよいさん(41)は「一番の目的は子育て中の保護者支援。保護者がほっと一息つける時間を提供できたらいい」。園長は、フリーアナウンサーで2児を子育て中の唐木さやかさん(32)。「子育て中の人とつながるツールの一つとして多くの人に知ってもらえたらうれしい」と言う。

 オンライン保育園は、初回1カ月無料で月額2500円。申し込み、問い合わせは「みらいネットオンライン保育園」のホームページから。

 記事 中村英美


2023年7月15日号フロント

bottom of page