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38 御柱祭でも句作
先月、善光寺さんの御開帳を紹介したので、続けて諏訪の御柱祭も紹介しましょう。御柱祭は諏訪大社で7年ごと、寅と申の年に行われる行事です(本年は一部行事を変更して開催)。 樅(もみ)の巨木16本を選定して山中から伐り出し、里へと運びます。これを「山出し」といい、柱の上に男たちを...


37 御開帳で作句
寺院で行われる「開帳」は春季に行われることが多いので、春の季語になっています。今年は善光寺さんの御開帳の年です。善光寺さんは7年目に一度ですが、昨年は実施されず、今年に延期されました。4月3日から6月29日までの開催期間中、感染が拡大せぬよう祈っています。...


36 連作に挑戦
俳人の松本たかしは昭和5(1930)年に岐阜県中津川を訪れ、当時行われていた霞(かすみ)網猟を題材に連作五十四句を作りました。まだ霞網が禁止される以前で、小鳥を捕らえて食用に供する「小鳥狩」は秋の季語になっていました。 大霧の霽(は)れかゝるより小鳥狩 松本たかし...


35 自分ならではの句を
先日、全国の皆さんから「焼鳥」の俳句が寄せられ、私が選句させていただくという機会がありました。「焼鳥」は四季にわたって食べますが、冬の季語になっています。 人間は、お互いに共通のイメージを待っています。それゆえに他人の俳句も理解できるわけです。ところが、多くの句が寄せられる...


34 晩秋から冬へ
信濃の国の冬は厳しいものです。来たる冬に備えて、冬支度を整えねばなりません。「冬支度」という言葉には「冬」の語が含まれていますが、その意味からして、秋の季語になっています。 逃げてゆく刻を追ひつつ冬支度 大橋敦子 日も短くなり、何をするにも急(せ)かされる思いの募る晩...


33 秋の季語それぞれ
今年、「中秋の名月」は9月21日でした。その約1カ月後、もう一回お月見をする夜があります。それが「十三夜」、陰暦の長月十三夜の月を愛(め)でる風習で、今年は10月18日です。少し欠けた月を祀(まつ)るのも風情のあることです。この十三夜の別名を「後(のち)の月」といいます。...


32 五七五音の持つ力
NHKのEテレの番組「100分de名著」で、8月、ロシアの女性作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチのノンフィクション作品「戦争は女の顔をしていない」を取り上げていました。第2次世界大戦に従軍した女性からの聞き取りをした、その内容には、深く学ぶところがありました。ところが私...


31 身近な一茶の句
江戸時代の俳人、小林一茶は、1763年に信濃町柏原に生まれました。北信地域にお住まいの方は、一茶を身近な存在として捉えておられるでしょう。 私が小学校に入る以前に読んだ絵本に、次のような一茶の句が載っていました。 雀の子 そこのけそこのけ 御馬が通る...


30 苦心して詠む重いテーマ
太平洋戦争末期の1945(昭和20)年、原子爆弾が日本に投下されました。8月6日に広島へ、そして9日に長崎へ。その悲惨な被害を、丸木位里・俊夫妻は絵画作品に残しましたが、俳句にも詠われています。 原爆図中口あくわれも口あく寒 加藤 楸邨...


29 上五へ戻る読者の心
松尾芭蕉の教えをまとめた書物に「三冊子(さんぞうし)」があり、その中に「発句(ほっく)の事は行きて帰る心の味わいなり」という言葉があります。 「おくのほそ道」の句、 閑(しずか)さや岩にしみ入る蝉の声 芭蕉 では、突然「閑さや」と言われ、読者は「何が?」と思います。すると...


28 祝日を題材に詠む
4月末から5月初めにかけては大型連休です。これをゴールデンウイークと呼ぶのはもともと映画界の宣伝のために生まれた言葉なので、NHKでは用いないとか。今年はコロナ禍で外出自粛でしたので、一つ一つの祝日名で、俳句でも詠んでみませんか。 名画座の三本立てや昭和の日 原田 紫野...
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